住 所   兵庫県神戸市北区有馬町1175
  電 話   078-904-0531
 営業時間   立寄り 15:00~18:00 (平日)
 入浴料   1000円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   天神泉源
  泉 質   含鉄(Ⅱ)-ナトリウム-塩化物強塩泉
 湧出量   28  ℓ/min
 泉 温   98.2 ℃
 pH   5.89
 成分総計   62.1 g/㎏
    Li=51.9/Sr=29.5/Na=18400/K=4830/Ca=2400/
  Mg=22.2/Fe2=121/Zn=0.89/Ba=34.5/Mn=31.1
  (25900㎎/㎏)
  F=4.22/Br=15.9/Cl=34500/SO4=1.02/HCO3=40.1
  (35500㎎/㎏)
  H2Si03=126/HBO2=495(621㎎/㎏)
  C02=86.6(86.6㎎/㎏)         〔1999.01.28〕
 入浴履歴   初訪06.09.10
 評 価   ★★★★★★★
 有馬温泉
上 大 坊
                      ありまおんせん かみおおぼう
湯の色は、まるで赤土を溶かしたかのような透明度のほとん
どない赤褐色。金気臭味と強い塩苦味が感じられます。
また、湯口の下には、グロテスクな鉄分の析出物の塊が付着
していました。
有馬温泉は、六甲山地北麓の傾斜地に29軒の宿泊施設が建ち並ぶ関西を代表する温泉地で、和歌山県白浜温
泉・愛媛県道後温泉と並び“日本三古泉”に数えられる古湯です。

有馬温泉の守護神である温泉神社の縁起によると、温泉の発見は神代。
大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)という二神がこの地を訪れた際、水溜り
で水浴していた3羽のカラスの傷が数日後に癒えていたことから、その水溜りが温泉であることが判ったと
伝えられています。
『上大坊』は、有馬玩具博物館と外湯である金の湯の間の湯本坂を110mほど上った左手、有馬天神社に向
かう細い路地を過ぎた角に所在している、有馬十二坊舎の名を今日に伝える1900年創業の老舗旅館です。

建物は外壁に焦げ茶色の板材を張った木造2階建てと鉄筋3階建てからなり、客室は全12室。
天神社の境内に湧出している有馬を代表する金泉“天神泉源”を掛け流しで存分に堪能できる湯宿として、
温泉好きの間ではつとに有名ですが、残念ながら立寄り入浴は平日の夕方のみに限られています。
玄関を入ると正面に階段があり、浴場はこの階段で一旦2階へ上がり、
左手に延びる廊下を進んだ突き当りに設けられています。
浴場入口の扉は左右隣り合っていますが、女湯が脱衣所・浴室とも階段
を下りた1階にあるのに対し、男湯の脱衣所は2階にあり、浴室へ向かう
螺旋階段の下り口からは湯けむりを上げる天神泉源を望むことができま
す。

温泉成分によって茶褐色に変色したタイル張りの浴室には、右奥に白湯、
左奥に金泉を満たしたタイル張り湯船がそれぞれ配され、後者には小穴
を開けた竹製の樋を湯口から渡して、90℃を超える激熱の源泉が少量ず
つ注入されるようになっていました。
有馬温泉の歴史を語るうえで忘れてはならないのが、豊臣秀吉です。
1583(天正11)年、初めて有馬の湯に入湯した秀吉はその後も度々訪問
し、1528(享禄元)・1576(天正4)年の大火などで荒廃していたこの地
にさまざまな援助を行いました。
特に慶長伏見地震の翌年の1597(慶長2)年に、泉源の根本的な改修工
事を行ったことはよく知られています。
その後、江戸時代には幕府の直轄領となって大いに繁栄し、1817(文
化14)年の『諸国温泉功能鑑』では、当時としては最高位の西の大関
に位置づけられています。

有馬温泉では、塩分と鉄分を多く含み、空気に触れると茶褐色に濁
る“金泉”と“銀泉”と呼ばれる透明な二酸化炭素泉・放射能泉の3
種類の湯が知られています。
歴史上に登場するのは、7世紀前半の飛鳥時代。
舒明天皇が631年に86日間、孝徳天皇が大化の改新後の647(大化3)年
に82日間にわたって滞在したことが、『日本書紀』や『続日本紀』と
いった歴史書に記録されています。

奈良時代には、行基が温泉寺を建立して、当時衰退していた温泉地を
再興。
平安時代末の1191(建久2)年には、夢のお告げを受けた大和吉野の高
原寺の住僧仁西が、1097(承徳元)年の水害によって壊滅的被害を受け
た有馬を訪れ、里人とともに泉源の浚渫を行うとともに、温泉寺を改
修し、12の宿坊を開いたとされています。

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樋を伝って流れる湯は非常に熱いものの、注入量が少ないためか意外にも湯温は適温で、浸かり易くなって
いました。
それでも、これまでに経験のない数値の高張泉だけに長湯は自粛。白湯浴槽と交互に浸かりながら、有馬温
泉で最も泉源に近いと言われる濃厚な金泉を楽しませていただきました。


壁の剥がれ落ちなど、浴室内は老朽化も目に付きましたが、館内は小綺麗で清潔感があり、ご主人を始めと
して宿の応接も丁寧で、大変爽やかな印象を受けました。
有馬の中では比較的にリーズナブルに泊まれる宿。ぜひ一度宿泊して、じっくりと金泉を堪能したいと感じ
た一湯です。                            〔09.09.26,12.03.08 記事補訂〕