住 所   静岡県熱海市水口町10-3
  電 話   
 営業時間   2015.12.31 閉鎖
 入浴料   300円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   
  泉 質   
 湧出量       ℓ/min
 泉 温        ℃
 pH   
 成分総計        g/㎏
 





 入浴履歴   初訪09.03.20
 評 価   ★★★★★★★
 熱海温泉
水口第二共同浴場
              あたみおんせん みなぐちだいにきょうどうよくじょう
路地裏というシチュエーション、これまで利用した中でも指折りの小
振りで鄙びた浴舎、さらに別府温泉の共同湯を想起させる浴室・脱衣
所一体型の浴場の造りなど、熱海温泉の共同浴場の中では最も強い印
象を抱かされた一湯でした。

別のサイトでは敷居の高さを指摘する記述も散見されますが、とにか
く今のままで末永く大切に残していってもらいたい、そんな願いと感
謝の気持ちを胸に、夕暮れの浴場を後にしました。   〔11.01.14〕

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とても小ぢんまりとしたタイル張りの浴室には、正面左寄り
に底のみ水色タイルを張った1.7×1.1mほどのコンクリート
湯船が置かれ、左隅にある源泉・水の両カランによって、自
在に湯温調整ができるようになっています。
実は、営業開始時間直後に訪れた際に湯が張られていなかっ
たため、夕刻時に出直したのですが、後で伺ったところ、一
番風呂の利用者が湯張りの役目を担うルールとなっているそ
うです。

先客によって適温に調整された無色透明の湯からは、仄かな
芒硝臭と薄塩味が感じられ、同浴の地元のおじいさんといろ
いろ語らいながらじっくりと堪能することができました。
立地・外観・雰囲気のいずれをとってもジモ泉の
ようですが、信じられないことに、第一浴場と同
様に外来入浴が許されています。
利用者は、初川を渡って40mほど先の左手にある
谷口商店で入浴券を購入し、裏面に日付と氏名を
記入したうえで、浴場内に備えられた中が見える
ようになっている木製の入浴券箱に入れるように
なっています。

浴場の入口は、向かい合うように嵌められたサッ
シ扉。
第一浴場とは異なり、扉の上方にはきちんと浴室
の男女の別が明示されています。
右側の扉を開けて中に入ると、一段高くなった幅
狭の脱衣スペースのすぐ目の前が浴室となってい
て、右奥には脱衣箱9庫が設えられていました。
『水口第二共同浴場』は、JR伊東線来宮駅から約300m、第一浴場
とともに水口町に2か所ある共同浴場の一つです。

駅前公共駐車場の横の急な坂道を下っていくと、初川に行き当たる少
し手前から左へ延びる路地の右手に、“湯小屋”と呼ぶのが相応しい
小さな湯気抜きを載せた鄙びたトタン張りの浴舎が現れます。
この浴場を利用するには、初川の手前を左に折れて30mほど下った正
面の方に回らなければなりませんが、辺りには浴場の存在を示す案内
などは一切なく、西島精肉店とその右隣の建物との間の、路地とは言
いがたい狭い隙間の奥に浴舎の一部が見えるだけの、外来利用者には
少し近寄りがたいアプローチとなっています。
山東京山が1830(文政13)年に著した『熱海温泉図彙』に拠れば、第24代仁賢天皇4年の491年に蚊島穂台君の
屍を海に沈めたところ、海中から熱湯が噴き出して魚が焼け死んでしまったことから“あつみが崎”と呼ば
れるようになり、757(天平宝字元)年に箱根山に入山し、箱根三社権現を感得した万巻上人が、箱根へ向か
う途中、海中から湧き出す熱湯によって甚大な被害を被っていた漁民を助けようと、37日間の断食祈祷によ
って泉脈を海中から山腹へ移したと伝えられています。

温泉地として発展するのは、幕府の直轄領となった江戸時代。特に徳川家康は、1604(慶長9)年3月に息子の
義直・頼宣を伴って7日間逗留するなどこの湯を愛し、同年9月には、京で療養中の吉川広家に見舞いとして
温泉を送っています。
汲み上げた温泉を湯樽に詰めて運ぶ“御汲湯(おくみゆ)”は、4代家綱の1667(寛文7)年、駿府城代の松平重
信が江戸城に差し出してから行事となって歴代将軍に継承され、最も御汲湯が盛んとなった8代吉宗の1728
(享保13)年11月には、湯樽の運搬に船が利用されるようになりました。
近世以降も伊藤博文や大隈重信といった政府要人や軍人・文人がたびたび訪問し、尾崎紅葉が1897(明治30)
年から6年にわたって執筆した『金色夜叉』の舞台となってからは、全国的に有名となりました。
熱海温泉は、静岡県の最東部、伊豆半島の東側の付け根に位置し、相模湾に臨む海岸沿いから丘陵傾斜地に
かけて120軒余りのホテル・旅館や3か所の共同浴場が点在する、わが国を代表する温泉地の一つです。