住 所   福岡県筑紫野市湯町1-14-5
  電 話   092-922-2119
 営業時間   9:00~21:00
 入浴料   300円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   博多湯
  泉 質   単純温泉
 湧出量   157 ℓ/min
 泉 温   43.8 ℃
 pH   8.2
 成分総計   0.66 g/㎏
    Li=0.5/Sr=0.5/Na=190/K=2.5/Ca=14/Mg=0.4/Fe2=0.2/
  Mn=0.1(208.2㎎/㎏)
  F=2.5/Cl=140/SO4=83/HCO3=150/CO3=1.8
  (377.3㎎/㎏)
  HAs02=0.1/H2Si03=68.0/HBO2=9.4(77.5㎎/㎏)
  C02=<0.1/H2S=<0.1(㎎/㎏)      〔2004.12.02〕
 入浴履歴   初訪06.08.25
 評 価   ★★★★
 二日市温泉
博 多 湯
                     ふつかいちおんせん はかたゆ
浴室は脱衣所から階段を7段分下りた半地下にあり、階段を
下りた正面に掛け湯槽、左側にソープ類が完備されたシャワ
ーカランが配され、右奥に周りに岩を並べた石造りの湯船が
置かれていました。

白色の湯の華が舞う無色透明の湯からは、単純温泉ながらほ
んのりと硫黄臭が香り、鉄分の沈着によって赤褐色と化した
湯口では、一層はっきりとした芳ばしい硫黄臭とやや甘味を
含んだ玉子味を感じることができました。
以前は入浴料の100円硬貨を投入し
てターンスティールを押して入るよ
うになっていたとのことですが、改
築後は左側に置かれた券売機で入浴
券を購入し、正面の受付にいる女性
に手渡すようになっています。

浴場は奥へ延びる廊下の左手。
脱衣所はさほど広くはないものの、
20庫の鍵付きロッカーを始めとして
やはり明るい色調の木材が多用され
ており、清潔感に溢れていました。
住宅街を散策していると一際目を引くのが、白壁に暗褐色の柱材が映える木造3階建ての民芸調の建物であ
る『博多湯』です。

驚いたことに、創業は1860(万延元)年。
現在の建物は2004年12月に改築されたものですが、明治時代に造られたという建物外観の趣はそのままに、
総檜張りの床など、内部は木を多用した温もりのある明るい空間に仕上げられていました。
二日市温泉は、JR鹿児島本線二日市駅から南西方向へ直線距離で約800m、福岡のベッドタウンとしてマ
ンションなどが建ち並ぶ住宅地の中に、8軒の宿泊施設と共同浴場2か所が点在する温泉地です。


現在の温泉名となったのは1950年。
ただし、“武蔵温泉”“次田の湯”などと呼ばれてきた温泉の歴史は古く、飛鳥時代の653(白雉4)年、藤原
登羅麻呂(虎麿)という豪族が、武蔵寺の薬師如来に娘の病気治癒を祈願したところ、夢の中に現われた僧侶
から「東方にある葦が生茂る湿地の中に温泉が湧いており、そこで入浴させれば娘の病は癒える」と教えら
れ、そのお告げ通りに温泉を発見したという伝説が残されています。

また、万葉集には、奈良時代の初めに大宰帥として大宰府に赴任した大伴旅人が、妻を亡くした際にこの地
で詠んだとされる次の歌が収録されています。
      “湯の原に 鳴く葦田鶴は わがごとく 妹に恋ふれや 時わかず鳴く”

さらに時代が下って江戸時代には、福岡藩主黒田氏の御前湯が置かれたことでも知られています。

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今回の改築によって、入浴料が100円から300円に値上げされ、かつての風情が失われてしまったという声も
耳にしますが、施設の外観はもちろんのこと、浴場にもしっとりした情緒が感じられます。
さらに、2階には“朝霧”“夕霧”といった無料の休憩所も備えられており、コストパフォーマンスは十分
高いと感じました。

何よりも湧出量が決して多くないにもかかわらず掛け流しが維持されていることは大いに評価されるべきで
あり、共同浴場としての新たな歩みに期待したい、そんな想いを抱かされた一湯でした。   〔09.09.14〕