住 所   熊本県人吉市上青井町160
  電 話   0966-22-3141
 営業時間   立寄り 7:00~21:00
 入浴料   600円
温泉利用状況   完全放流式 (加水あり)
   
 源 泉 名   
  泉 質   ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
 湧出量        ℓ/min
 泉 温   54.6  ℃
 pH   7.96
 成分総計   2.247 g/㎏
    Li=0.2/Sr=0.1/Na=643.1/K=31.0/Ca=3.9/Mg=1.1/
  Fe2=0.6(680.0㎎/㎏)
  F=0.9/Cl=394.3/SO4=230.5/HCO3=814.5/HS=0.7
  (1441㎎/㎏)
  H2SiO3=99.1/HBO2=26.6(125.7㎎/㎏)
                   
       
〔2009.05.28〕
 入浴履歴   初訪14.05.03
 評 価   ★★★★(暫定)
 人吉温泉
人 吉 旅 館
                           ひとよしおんせん ひとよしりょかん
わずかに緑掛
かって見える
褐色の透明湯
は適温で、湯
口付近では弱
金気臭と微弱
な硫黄臭、浴
槽内ではモー
ル泉らしい仄
かな甘い香り
が感じられ、
微細な泡付き
によるつるつ
るの触感もあ
り、好感しま
した。
浴室は石板張りで、手前側の壁に6、右壁の手前に2基のシャワーカラン
が並び、左端に上がり湯槽、仕切り壁を挟んで左側に3.3×1.7m、右に
3.05×1.45mほどの石板で縁取ったタイル張り湯船が配され、深さ80㎝
の浴槽内には、驚いたことに松の木製のベンチが沈められていました。

石板造りの湯口から両湯船へたっぷりと掛け流されているのは、自家源
泉である含食塩-重曹泉。
松の湯は、元々男女別に分かれてい
た浴場を改装して一つにしたもので、
脱衣所は行き来が可能な左右2室に
分かれ、浴室へもそれぞれの入口か
ら出入りできるようになっています。

左側の板張りの脱衣所には、左手前
に置かれた金属製の3段棚に各段6個
の角籠が備えられ、その横には冷水
機が設置されていました。
途中、中央棟のピカピカに磨き
込まれた檜板の廊下には、中庭
に面して木枠のガラス格子窓が
並び、中央には「松皮菱」と呼
ばれる変わった形の窓が設えら
れており、趣が感じられます。

温泉棟には、左に籐の椅子が置
かれた涼み処が併設され、訪問
時はその右横の“松の湯”が男
湯、家族風呂を挟んだ奥の“蓮
池の湯”が女湯となっていまし
た。
風格ある入母屋造りの庇を備えた玄
関棟の玄関を入り、歴史ある湯宿が
放つ独特な雰囲気に気圧されるもの
を感じながら、太い松の木の梁が架
け渡されたロビーの右手前にあるフ
ロントで立寄り入浴をお願いします。

この宿には男女交替制の2か所の浴
場と2室の貸切露天風呂があり、中
庭の周りを下向きのコ字に巡る回廊
のような廊下を進み、敷地の北東側
に建つ別棟の温泉棟へ向かいます。
鹿児島の宮大工によって建てられたという数寄屋造りの建物は、1933
年に敷地の北西に建築され、1937・1939年に増築、1988年に改修され
た入母屋造り瓦葺き木造2階建ての玄関棟、これに先立つ1930年頃に
敷地南東に建てられ、1965・1967年に改築されたという入母屋造り瓦
葺き木造2階建ての東棟、玄関棟と同じ1933年に東棟の西側に建てら
れ、上下階に4室の客室を一列に並べた入母屋造り瓦葺き木造2階建て
の中央棟、玄関棟と中央棟の接点西側に1953年に建築、1982年に改修
された切妻造り瓦葺き木造2階建ての西棟からなり、玄関棟ならびに
球磨川に臨んで客室を配した3棟の客室棟は、国土の歴史的景観に寄
与しているとして、2013年3月29日に国の登録有形文化財に登録され
ました。
人吉温泉は、日本三大急流の一つに数えられる球磨川が東から西へ貫流する人吉盆地の西部に位置し、江戸
時代には2万2千石の石高を有する人吉藩相良家の城下町として栄え、武家屋敷や神社仏閣が点在する情緒豊
かな街並みから“九州の小京都”と称される熊本県の最南端、人吉に湧く温泉です。

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初めて人吉を訪れた今回の湯めぐり旅では、同時に有形文化財に登録された芳野旅館を宿泊先として選択し
ましたが、眼下を球磨川が流下する立地環境は人吉旅館に分があり、いずれはこちらにも投宿し、80年以上
の歴史を刻んできた木造和風旅館の風情を存分に堪能したいと思います。          〔15.03.01〕
『人吉旅館』は、JR肥薩線の
人吉駅前から県道人吉停車場線
(188号)を経由して南南東へ350
mほど向かい、手塚病院の手前
を右へ100m足らず入ると左手
に所在する、北海道の乾物を卸
す魚屋を営んでいた堀尾芳喜氏
が1934年に源泉を掘り当て、8
室の客室を併設して創業された、
現在は3代目の館主夫妻が切り
盛りしている老舗の温泉旅館で
す。
1492(明応元)年の正月に井口八幡宮へ弓始めに参詣した相良家12代当
主 相良為続(1447~1500)が林村の湯楽寺で湯治した記録が残されて
いるという500年以上の歴史を持つ温泉ですが、本格的な開発は1910
(明治43)年に現在温泉町と呼ばれている万江川が球磨川と合流する地
で川野廉氏が泉源掘削に成功し、「翠嵐楼」を創業したことを嚆矢と
しており、当初は地名から“林温泉”と呼ばれていました。

昭和に入って上総掘りという井戸掘りの技術が伝えられると、市街地
でも泉源の掘削が次々と行われるようになり、2012年3月末現在、源
泉数は78本に上り、市内には23軒の宿泊施設と33か所を数える公衆浴
場(公衆浴場業許可を有する宿泊施設も含む)が点在しています(平成
25年版 人吉市統計年鑑 2014.4.1)。