住 所   群馬県利根郡みなかみ町永井650
  電 話   0278-66-0005
 営業時間   立寄り 10:30~14:00 (休=水,年末年始)
 入浴料   1000円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   旭の湯 / 寿の湯 / 官行の湯
  泉 質   カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 / カルシウム・
  ナトリウム-硫酸塩泉 / 単純温泉
 湧出量   77.8 / 24.5 / 164  ℓ/min
 泉 温   42.2 / 42.2 / 27.5  ℃
 pH   8.4 / 8.4 / 8.3
 成分総計   1.232 / 1.275 / 0.593 g/㎏
    Na=96.8/K=2.1/Ca=266.6/Mg=0.8/Al=0.1/NH4=<0.1/
  Fe2=<0.1/Mn=0.1(366.5㎎/㎏)
  F=0.7/Cl=108.7/SO4=690.3/HCO3=16.5/CO3=4.2/
  HS=<0.1(820.4㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=39.9/HBO2=5.0(45.1㎎/㎏)
  CO2=<0.1/H2S=<0.1( ㎎/㎏)       〔2007.02.13〕

  Na=94.8/K=1.0/Ca=265.3/Mg=1.6/Al=<0.1/NH4=<0.1/
  Fe2=<0.1/Mn=0.1(362.8㎎/㎏)
  F=0.7/Cl=108.1/SO4=685.3/HCO3=29.3/CO3=1.2/
  HS=<0.1(824.6㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=82.0/HBO2=5.0(87.2㎎/㎏)
  CO2=<0.1/H2S=<0.1( ㎎/㎏)       〔2007.02.13〕

  Na=41.2/K=1.1/Ca=116.1/Mg=1.3/Al=0.2/NH4=<0.1/
  Fe2=<0.1/Mn=<0.1(159.9㎎/㎏)
  F=0.4/Cl=33.5/SO4=313.9/HCO3=17.1/CO3=3.6/
  HS=<0.1(368.5㎎/㎏)
  HAsO2=0.1/H2SiO3=63.3/HBO2=0.8(64.2㎎/㎏)
  CO2=<0.1/H2S=<0.1( ㎎/㎏)
       〔2007.02.13〕
 入浴履歴   初訪13.09.13 泊
 評 価   ★★★★★
 法師温泉
長 壽 館
                             ほうしおんせん ちょうじゅかん
立派な右横書きの扁額が掛かる木戸を入ると、檜丸太の梁が剥き出しと
なった総檜造りの浴室には、両側手前に木製の栓を押すと木樋から湯が
流れる木造りのカランが3基ずつ並び、正面の大きなガラス窓の前には
底に玉石を敷いたゆったりした檜風呂、さらに両奥のガラス戸を出た先
には先代館主が集めた銘石を利用して造られた野天風呂があり、内湯で
は官行の湯という掘削自噴の弱アルカリ性単純温泉と寿の湯の混合泉、
野天風呂は官行の湯が、それぞれ熱交換による加温のうえ、放流循環併
用式の湯使いで供されていました。
夕食後、最後に訪れたのが“玉城乃
湯”です。

大浴場に安心して入りたいという女
性客の要望を受け、2000年に法師乃
湯のイメージを継承してその北側に
接して新築された浴舎は、檜の化粧
野地板下地に杉板を葺き、外壁を杉
板下見板張りとした寄棟造りで、棟
の上にはやはり櫓状の湯気抜きが設
えられています。
長寿乃湯と比して湯船が大きいためでしょうか、無色透明の湯はほぼ無臭でわずかに渋味が感じられる程度
でしたが、鮮度抜群で肌当たりも柔らかく、とても癒されました。
そこから50㎝ほど下には2.65m四方の4つの湯船が田の字状に配され、
それぞれ中央に丸太が掛け渡されているため、ここに頭を載せながら寝
湯を楽しむことができます。

底には玉石が敷き詰められ、その下から旭の湯と呼ばれている石膏泉が
プクプクと湧き出しているほか、一番手前の2つの枡には、脱衣所の下
で湧いているという源泉が逆T字の木樋状の湯口から加えられており、
湯温も奥側の枡より少し高めとなっていました。
続いて利用させていただいたのは、長寿
乃湯とは反対に突き当たりを右へ進んで
左に折れると左側に入口がある、国の登
録有形文化財“法師乃湯”です。

本館の北側に位置し、1895(明治28)年に
建築された苔むした杉皮葺きの浴舎は、
桁行12m、梁間10mの寄棟造り木造平屋
建てで、棟の上には櫓状の湯気抜きが設
えられ、下見板張りの外壁には、当時と
してはモダンな洋風のアーチ窓が巡らさ
れています。
かつては脱衣所と浴室が一体となってい
ましたが、2000年に男女別の脱衣所が手
前側に新設され、向かい合う入口のうち
男湯は右側となっています。
鮮度がすこぶ
る良好な無色
透明の適温湯
の中には、淡
黄色から白色
の綿屑のよう
な大きめの湯
の華が少量見
られ、湯口の
湯を口に含む
と、玉子臭と
渋味が感じら
れました。
浴室はヒバ張りで、白木のガラス戸から足を踏み入れると、室内には芳
ばしい木の香りが漂っています。
右奥に洗い場を兼ねた掛け湯槽が設置され、対する左奥に幅2.0m、奥
行き3.05mほどの五角形を呈した檜造りの湯船が配されていました。

湯船へは玉石が敷かれた底から寿の湯と名付けられた石膏泉が自然湧出
しているほか、手前と左壁に設えられた木造りの湯口からも源泉が静か
に加えられ、37分間で湯船を満たすことができるそうです。
磨りガラスの扉を入ると、板張り
の脱衣所には右側手前に洗面ボウ
ル3基のパウダーコーナーが設置
され、正面の磨りガラス窓の下に
高さを交互に違えた棚と計12個の
角籠が備えられていました。
この宿には法師乃湯・長寿乃湯・玉城乃湯というそれぞれ独立した
3か所の浴場があり、法師乃湯は20時から2時間の女性専用時間を除
くと基本的に混浴、対して長寿乃湯は15時から5時間の男性専用時
間以外は女性専用、利用時間が15時から翌朝10時までと宿泊客専用
となっている玉城乃湯は、15時から20時と翌7時から10時までが女
性、20時から7時までが男性専用となっています。

まずは、2010年10月1日に発行された日本温泉協会の温泉利用証で
源泉・泉質・引湯・給配湯方式・加水・新湯注入率の6項目すべて
で5点満点の評価が下されているものの、長らく利用は女性に限ら
れ、2013年の9月1日から短時間ながらようやく男性にも門戸開放さ
れた“長寿乃湯”へ向かいます。
予約に際して希望したのは、全室
トイレなしながら、当館で最も古
く、文化財となっている本館客室。

宿泊利用させていただいたのは、
公式サイトでも紹介されている8
畳間にベランダが付設された本館
2階の十九番。
梁が剥き出しとなった部屋は古い
なりにも手入れが行き届いており、
とても快適に過ごすことができま
した(1泊2食税別 16000円)。
手摺が付設された2階に「御入浴客御定宿」という古めかしい袖看板
が掲げられ、懐かしい朱色の丸型ポストの奥に秘湯を守る会の提灯が
ぶら下がっている旅籠の雰囲気を色濃く漂わせたガラス戸の玄関から
本館に入ると、土間のすぐ右側に帳場、正面に真ん中に火鉢を設えた
樹齢1300年の栃の巨木のテーブルが置かれ、神棚の横に俳人の河東碧
梧桐揮毫の扁額などが掛けられた吹き抜けのロビーがあり、その左に
は鉄瓶で沸かした湯でお茶をいただくことができる囲炉裏の間が設け
られています。
左手を流下する法師川を挟んで右側の東岸には、創業時に建築され、屋
根の上に煙出しを備えた切妻造り杉皮葺きの“本館”、その右に1988年
の建築で、10年後に建て替えられ、一段高くなった石垣の上に立地して
いることから本館の2階と渡り廊下で繋がっている“法隆殿”、さらに
本館から渡り廊下で渡河した対岸には、1940年に建てられた切妻造り鉄
板葺きの“別館”とその手前に続く1978年築の“薫山荘”という木造2
階建ての4棟の建物からなり、客室は全33室を数えます。
約8年前、群馬県の知人から県内
一押しの温泉として勧められて以
来、入湯を願っていたことから、
旧新治エリアの温泉を巡ることと
なった今回、初日の宿泊地として
選びました。
県道の突き当たりにある駐車場に
車を停め、緩やかに上る砂利道を
奥へ向かうと、TVの旅番組等で
何度も目にしていた風景が眼前に
現われ、一瞬にして時間を遡った
ような錯覚に陥ります。
『長壽舘』は、後に衆議院議員になり、上越線の敷設に力を注いだ岡村 貢氏(1836~1922)が1875(明治8)年
に創業した日本秘湯を守る会会員の一軒宿で、近世以降、与謝野鉄幹・晶子夫妻や若山牧水・直木三十五・
川端康成といった文人や歌人が足を運び、歌を残しています。
法師温泉は、関越自動車道の月夜野I.Cから国道17号で越後湯沢方面へ
向かう途中、新三国大橋を渡って780m余り先を斜め左へ逸れ、県道法
師吹路線(261号)を5㎞ほど上った標高800mの三国峠南麓の谷間に静か
に湯けむりを上げる温泉地です。

1886(明治19)年に内務省衛生局によって編纂された『日本鉱泉誌』に拠
ると、温泉の発見は1699(元禄12)年とのことですが、1200年前に弘法大
師によって開湯されたという伝説もあり、温泉名はその伝えに因んでい
るようです。
三国街道に沿って点在する川古・猿ヶ京・赤岩・湯宿・奥平の各温泉地
とともに“猿ヶ京三国温泉郷”と総称され、1999年4月には川古温泉・
湯宿温泉とともに国民保養温泉地に指定されています。

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両側から山が迫る狭い谷間に時が停まったように佇む風情豊かな木造の建物群、イギリス人の鉄道技師が設
計に尽力したとされる鹿鳴館調とも呼ばれる和洋折衷の趣のある浴舎と適温でいつまでも浸かり続けていら
れる極上の足元湧出泉が白眉の法師乃湯、そしてパーテーションで区切られた食事処でいただく適量で美味
しい食事のいずれとも素晴らしく、何度でも足を運びたい文句なしの湯宿でした。      〔14.12.29〕
秘湯を守る会の提灯が下げられた
脱衣所には、右側に最上段のみ天
板のない角籠50個を納めた脱衣箱
と16庫の貴重品ロッカーがコ字状
に置かれ、左奥にはボウル3基の
パウダーコーナーが備えられてい
ました。
板張りの浴室
は、湯船が置
かれている中
央部に対して
手前から左右
両側が上向き
のコ字状に高
くなっており、
左壁に2段10
列計20庫、右
壁に2段12列
と3段4列の計
36庫の脱衣箱
が設えられて
いました。
総木造りの浴
場は、小屋組
みが剥き出し
となった豪壮
な造りで、正
面と左右両側
に並んだアー
チ窓から射し
込む外光を除
くと、両奥と
手前中央に置
かれた行燈の
灯りのみとい
う仄暗い空間
となっていま
す。
木造の脱衣所には、角籠を納め
た24庫の脱衣箱が備えられてい
ました。
本館の西側、法師川の畔に建つ湯気
抜きを載せた木造平屋建ての東西棟
の浴舎で、本館1階の売店の先から
右へ延びる廊下を進み、突き当たり
を左に折れた奥に位置しています。
また、ロビーの右横から別館へ向
かう廊下が奥へ延びており、左側
手前の壁には、国鉄(現JR)によ
って1981年に発売が開始され、俳
優の上原 謙と高峰三枝子を起用
したCMの舞台として当温泉を一
躍全国区に押し上げたフルムーン
夫婦グリーンパスの大きな額入り
ポスターが飾られていました。
なお、本館・別館と大浴場の法師
乃湯は、2006年8月24日付けで国
の登録有形文化財に登録されてい
ます。
法隆殿
本 館

薫山荘
別 館