住 所   大分県玖珠郡九重町町田62-1
  電 話   0973-78-8754
 営業時間   立寄り 9:00~21:00
 入浴料   300円
温泉利用状況   完全放流式 (家族風呂は加温あり)
   
 源 泉 名   旅館 福元屋
  泉 質   単純温泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   36.6  ℃
 pH   7.9
 成分総計   0.326 g/㎏
    Li=0.2/Na=53.8/K=4.6/Ca=8.5/Mg=1.4(68.5㎎/㎏)
  F=0.4/Br=0.3/Cl=73.1/SO4=7.1/HCO3=62.4/NO3=1.3
  (144.6㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=105.0/HBO2=4.2(109.4㎎/㎏)
  CO2=4.0(4.0㎎/㎏)
              〔2008.12.10〕
 入浴履歴   初訪11.04.29 泊
 評 価   ★★★★★
 壁湯温泉
旅 館 福 元 屋
                        かべゆおんせん りょかん ふくもとや
不感温度のぬる湯は、何時
間も浸っていることができ、
まるで身体と同化してしま
いそうな心地良さ。

苔むしてうっすら緑色とな
った岩肌が頭上に覆い被さ
る天然の岩風呂は文句なし
の風情で、結局、夕刻と夕
食後、そして早朝と3回も
足を運んでしまいました。
青っぽく映る湯船の底は大小の岩と
砂地からなり、そこから自噴してい
るという鮮度抜群な自家源泉からは、
藻のような成分臭が仄かに香り、浸
かってしばらくすると微細な気泡が
付着し、肌がつるつるしました。
一方、帳場から食事処に向かうとすぐ右手にあるのが、作家の森まゆみ
さんが命名されたという切石風呂の“隠り国(こもりく)の湯”。

小振りな脱衣所には6個の籠を納めた3段棚が設えられ、昔の蔵に使われ
ていたという切石が用いられた浴室には、1.75×1.25mほどの重厚な切
石造りの湯船が設けられていました。
お茶をいただきながら一息ついて
後、まず向かったのが、宿に至る
坂道の途中の右側に独立して設け
られている切出風呂の“あら玉の
湯”。
浴場は、この旅館の名物である“壁湯天然洞窟温泉”と女性専用内湯
のほか、2か所の宿泊客専用の家族風呂があり、女将さんが腕を振る
う料理についても好評判を耳にしていたことから、GWの初日に宿泊
利用しました(1泊2食 12000円+消費税・入湯税)。

利用させていただいたのは、帳場の横の階段を上がって最も手前にあ
る“松”の間。
4畳半に小さな板間が付いたトイレ・洗面共用の部屋は、案内された
時は少し手狭な感じがしましたが、落ち着きがあってとても居心地が
良く、町田川の瀬音をBGMに心安らぐひと時を過ごさせていただき
ました。
代替わりを機に2001年に改築された
木造2階建ての建物は、黒褐色の木
材に黄支子色の壁という黒川温泉っ
ぽい民芸調の造りで、客室数は全9
室。

同色の木材を多用した館内は、旅籠
のようなどこか懐かしい雰囲気が漂
い、玄関の左手にあるロビーには中
央に囲炉裏が設えられていました。
『旅館 福元屋』は、国道から町田川を望むとすぐ眼下に所在する、1907(明治40)年に創業された現館主で
4代目となる日本秘湯を守る会会員の老舗旅館です。
壁湯温泉は、大分自動車道の玖珠I.Cから国道387号(一部区間は210号
重複)で南へ10.5㎞、2011年2月25日に“源泉かけ流し宣言”を行っ
た「宝泉寺温泉郷」と称される町田川沿いの3つの温泉の中で最も下
流に位置する旅館1軒と共同浴場1か所からなる小さな温泉地で、九重
町内に点在する龍門・水分・九酔渓・筌の口・馬子草・長者原・寒の
地獄・湯坪・筋湯・宝泉寺・川底の各温泉とともに、2007年10月に一
般公募で命名された「九重“夢”温泉郷」の一つに数えられています。

江戸時代中期の享保年間(1716~1735)、傷ついた鹿が町田川の河畔で
湯を浴びて傷を癒しているのを発見した猟師が、険しい岸壁に道を設
け、川を仕切って浴槽を設えたのを嚆矢とすると伝えられ、また、そ
の昔、美しい仙女が夜明け前に入浴して身を清め、日の出とともに昇
天したという伝説から、仙洞温泉とも呼ばれていたそうです。

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評判の香り米も含めて食事についても期待以上で、九重方面を訪れた際にはぜひともまた宿泊したい、大満
足の佳宿でした。                                   〔12.06.25〕
それでも、何と言ってもこの宿
の白眉は、江戸時代に猟師が設
えたという混浴の天然洞窟温泉
でしょう。

宿から川に沿って上流側に向か
うと、“天女岩風呂”という女
性専用内湯の湯小屋の奥に岩壁
が大きくオーバーハングして洞
窟状を呈した箇所があり、その
下に澄み切った透明湯が満々と
湛えられています。
23~6時以外は空いていれば何度で
も入浴できるこれら2か所の家族風
呂には、加温された源泉が掛け流し
で供され、ほぼ無味無臭ながら肌当
たりの柔らかい清澄な湯をゆったり
と楽しむことができます。

特に、裸電球と右手の格子戸から射
し込む灯りに照らされた隠り国の湯
はとても趣があり、大いに気に入り
ました。
木戸を開けると、手前には4個の籠
を納めた3段棚を設えた小さな脱衣
所があり、その奥に続く石造りの
浴室には、現館主が切り出してき
た石をさんわで固めて造ったとい
う長径2.15m、短径1.7mほどの楕
円形の湯船が配されています。
旧道に設けられた専用の駐車場に
車を停め、傍らにある瓦葺きの小
さな門から階段を下りると、国道
から川縁の共同浴場へ向かう細い
坂道と合流。

右手に折れてしばらく下っていく
と左への分れ道があり、折り返す
ようにその小路を下り、苔むした
門を潜ると宿に到着します。