住 所   大分県別府市北中1組
  電 話   
 営業時間   6:30~21:30
 入浴料   150円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   谷の湯
  泉 質   ナトリウム-塩化物泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   71.1  ℃
 pH   4.9
 成分総計   3.323 g/㎏
    Li=4.0/Na=930.5/K=113.7/Ca=38.8/Mg=3.9/Fe2=0.6/
  Mn=0.7(1092.2㎎/㎏)
  F=2.0/Br=2.4/Cl=1397.0/SO4=397.4/HSO4=0.2/
  HCO3=7.0(1806.0㎎/㎏)
  HAs02=1.3/H2Si03=357.6/HBO2=48.6(407.5㎎/㎏)
  CO2=16.9(16.9㎎/㎏)           〔2010.10.07〕
 入浴履歴   初訪08.08.22,最終11.03.19(2回目)
 評 価   ★★★★★★
 鉄輪温泉
谷 の 湯
                           かんなわおんせん たにのゆ
別府温泉郷は、伽藍岳(硫黄山・1045.3m)と鶴見岳(1374.5m)という2つの活火山の東麓に湧く、わが国を
代表する温泉地です。

温泉郷内には、“別府八湯”と総称される別府・亀川・柴石・鉄輪・明礬・堀田・観海寺・浜脇という個性
豊かな8か所の温泉地が点在し、掲示用新泉質名として大別される10の泉質のうち、7種類の湯を楽しむこと
ができます。
泉源の数は別府市内で2288孔、湧出量は毎分87550ℓ(『平成30年度 東部保健所報』より)を数え、“泉都”
の名に相応しい日本一の豊富な湯量を誇っています。
右奥のパイプ湯口からト
ボトボと注がれているの
は、泉温が70℃を超す高
温の独自源泉。

透明度の高い無色透明の
熱めの湯からは、鉄輪独
特の金気を帯びた噴気臭
が仄かに香り、薄塩味も
感じられました。
浴室には仕切り壁に長辺を寄せて2.9×1.45mほどのコンク
リート湯船が配され、3辺の外縁には排水溝で画された幅狭
の洗い場が設けられています。
コンクリート打ちっ放しの
浴場は、左右に脱衣所と浴
室が並列する一体型の造り。
入口からL字形に敷き並べ
られた簀子の左手には12庫
の脱衣箱が設えられ、その
奥には男湯のみ不動明王が
祀られています。

かつてはこの台座の下から
湯が湧いていたとのことで
すが、昭和30年代に涸れて
しまったそうです。
一般の民家と屋根続きで鉤形に続
く右手のアパートのような建物が
浴舎となっており、浴場は通りか
ら階段を15段分下りた半地下の1
階部分に設けられています。

入浴の受付は通りに面した左側の
民家で行うようになっており、軒
先のサッシ戸を開け、中に備えら
れた紙箱に入浴料を納めてから浴
場へ向かいます。
『谷の湯』は、いでゆ坂を300mほど下り、地獄原温泉の手前を右へ
折れ、途中で出くわした平田川に沿って“谷の湯通り”という緩やか
な坂を上っていくと、立ち込める湯けむりの先、北中地区の住宅地の
中にポツンと所在している区有区営の共同浴場です。

文字通り平田川が東流する谷間に立地し、一帯は鉄輪温泉街の湯けむ
りポイントの一つとしても知られていますが、かつてアスファルトの
細道であった通りは、2005年から5か年にわたって順次行われた都市
再生整備によって綺麗な石畳に生まれ変わり、残念ながら初訪時に抱
かされた裏路地らしい寂れたような雰囲気は薄らいでしまいました。

古くから多数の噴気や熱湯・熱泥が噴出する温熱地帯として知られ、
奈良時代に編まれた『豊後風土記』にも、「玖倍理湯の井」の名で記
載されています。
1276(建治2)年、念仏行脚のために伊予国からこの地を訪れた一遍上
人が、地獄噴気に困っていた住民を助けるために鶴見権現で21日間の
断食祈願を行い、大小の石に経文を一字ずつ書いて地獄に投げ込んで
これを鎮静。その後、蒸し湯・渋の湯・熱の湯といった浴場を創設し
たそうです。

現在では、観光名所となった地獄めぐりの拠点として多くの観光客で
賑わうとともに、湯治場の風情を色濃く留める街として知られ、地獄
釜を利用して自炊ができる“貸間”と呼ばれる素泊まりの宿を含め、
45軒ほどの旅館・ホテルが建ち並んでいます。
鉄輪温泉は、2001年にNHKが放映した「21世紀に残したい日本の風景百選」で、第2位の“別府の湯煙”
として紹介された別府八湯を象徴する温泉地です。

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初めて訪れた時にご一緒したのは、全身に見事な刺青を施した一見強面の初老の男性。
その方も仰っていたように、気持ちがほっと安らぐような独特の雰囲気を持った浴場で、肌当たりの優しい
癒されるような浸かり心地も含めて、鉄輪温泉の共同浴場の中では最も気に入りました。   〔11.07.02〕