住 所   栃木県那須郡那須町湯本151
  電 話   0287-76-2008
 営業時間   立寄り 8:30~16:30受付 (退館は17:30)
 入浴料   700円
温泉利用状況   完全放流式 (加水あり)
   
 源 泉 名   天狗の湯 / 相の湯 / 芽の湯
  泉 質   単純温泉
 湧出量   481.2 / 59.41 / 69.7  ℓ/min
 泉 温   56.0 / 49.6 / 50.8  ℃
 pH   6.2 / 6.7 / 6.3
 成分総計   0.866 / 0.736 / 0.833 g/㎏
    H=0.0/Na=49.1/K=12.0/Ca=56.6/Mg=12.6/Fe2=1.2/
  Mn=0.5(131.9㎎/㎏)
  F=0.3/Cl=5.2/SO4=156.0/HCO3=176.4/HS=0.0
  (337.9㎎/㎏)
  H2SiO3=205.6/HBO2=4.0(209.6㎎/㎏)
  CO2=186.7/H2S=0.2(186.9㎎/㎏)
     〔2001.01.24〕

  Na=49.6/K=12.0/Ca=56.2/Mg=11.6/Fe2=0.4/Mn=0.4
  (130.1㎎/㎏)
  F=0.1/Cl=3.4/SO4=153.5/HCO3=179.5/HS=0.1
  (336.6㎎/㎏)
  H2SiO3=205.6/HBO2=3.1(208.8㎎/㎏)
  CO2=60.1/H2S=0.1(60.2㎎/㎏)       〔2001.01.24〕

  H=0.0/Na=49.6/K=11.8/Ca=56.3/Mg=11.5/Fe2=0.5/
  Mn=0.5(130.1㎎/㎏)
  F=0.1/Cl=7.5/SO4=147.5/HCO3=181.4/HS=0.0
  (336.6㎎/㎏)
  H2SiO3=210.8/HBO2=2.8(213.7㎎/㎏)
  CO2=152.5/H2S=0.2(152.7㎎/㎏)     
〔2001.01.24〕

 入浴履歴   初訪12.09.14 泊
 評 価   ★★★★★
 北温泉
北 温 泉 旅 館
                        きたおんせん きたおんせんりょかん
奥・手前と左の三方の壁に天狗の面が掛けられた浴場は、こ
れまでに感じたことのない独特な雰囲気があり、夕食前後と
就寝前、翌朝と何度も利用させていただきました。
天井が低く、階
段の横に位置し
ているために昇
降の音が多少気
になりますが、
すぐ奥が名物混
浴風呂の天狗の
湯となっている
ことから、温泉
を楽しむにはと
ても都合の良い
部屋でした。
茶褐色の細粒の湯の華が
わずかながら舞う無色透
明の湯は、少量の水が加
えられているとはいえ少
し熱めで、鮮度は抜群。

仄かな成分臭とごくわず
かに渋味が感じられ、少
つるりの肌感がありまし
た。
立寄り入浴客が帰途につき、館内に静けさが漂い始めた夕刻、待ちに
待った“天狗の湯”へ向かいます。

洗面の奥の玉簾を潜ると、すぐ右手にプラスチック籠3個を納めた12
庫の脱衣箱が設えられているほか、一体型となった浴場の手前側にも
18庫の脱衣箱とプラスチック籠9個が備えられています(訪問後に脱衣
所が改装され、簾の右にアコーディオンカーテンで目隠しできる女性
専用の脱衣所を新設)。
次に足を運んだのは、天狗の湯の奥に設置されている家族風呂と打たせ
湯です。
公式サイトで“ぬる湯”と紹介されているL字形湯船の前者は、源泉の
大量投入によって名前に反して激熱となっており、ビニールホースの付
いた水カランから止むを得ず加水し、ようやく浸かることができました。
一方、“不動の湯”“湯滝”とも呼ばれている打たせ湯は、見た目ほど
威力は強くなく、湯温も高いために長くは利用できませんでした。
透明ガラスの扉を開けると、すぐ目の前に周りを小振りな岩で縁取った
幅3.15m、奥行き3.2mほどのコンクリート造りの露天風呂が配され、
手前側はわずかですが屋根に覆われています。
帳場の背後を左に折れて階段を下
り、棟方志功の画や古いポスター
が両側に並んだ連絡通路で亀の間
の左横を抜けて階段を4段分上が
ると正面にあり、休憩処を挟んで
左が男湯、右が女湯に分かれてい
ます。

脱衣所は横長の小ぢんまりした造
りで、右手には両側に分かれて3
段棚が設えられ、それぞれプラス
チック籠が数個ずつ載っていまし
た。
亀の間という囲炉裏を備えた食事処がある移築された豪農民家の奥、宿の右手
を流下する余笹川に臨んで設けられているのが、明治時代に造られたという男
女別の露天風呂“河原の湯”です。
相の湯の正面にあり、同じ源泉がたっぷりと満たされている
のが、15×10mの本格的な温泉プールとなっているこの宿の
もう一つの名物風呂で、映画にも登場した“泳ぎ湯”です。

相の湯で水着を着用して赴いたところ、ちょうど湯張りが行
われている途中で、ようやく膝ぐらいの深さに達していた程
度であったため、残念ながら泳ぎを楽しむことができません
でした。
もし再訪の機会があれば、満点の星空の下、あるいは早朝に
じっくりと満喫したいと思います。
温泉成分によって赤茶けたコンクリート張りの浴室には、1.95×1.7m
弱のコンクリート湯船が奥の仕切り壁に寄せて中央に配され、左奥に置
かれた木槽から相の湯と呼ばれる自家源泉がドボドボと掛け流されると
ともに、横のパイプからは水がチョロチョロと加えられていました。

無色透明の適温湯からは油臭を帯びた弱い金気臭と少苦味が感じられ、
肌がつるりとする良泉で、共同湯のような浴場の佇まいがとても気に入
り、翌朝、朝湯としてもう一度入湯しました。
到着した我々を見て寛ぎ処におら
れたお爺さんがあれこれ世話を焼
いてくださり、しばらくして出て
こられた台湾出身の女将さんにチ
ェックインをお願いします。
1969年8月に漫画家のつげ義春も訪れた鄙びた湯治場の風情を色濃く留める
温泉場で、2012年に公開された映画『テルマエ・ロマエ』のヒロイン山越真
実の実家としてロケ地となり、世間にも広く知られるようになりました。

『北温泉旅館』は、那須湯本の観光
名所である殺生石の入口から那須街
道と呼ばれる県道那須高原線(17号)
の東側ルートをおよそ4.7㎞上り、
案内表示にしたがって右に折れ、北
東へ1.1㎞ほど向かうと公共駐車場
に到着。
そこから遊歩道を徒歩で400m足ら
ず下っていくと、標高約1200mの余
笹川の渓流沿い、巨大な砂防ダムを
バックに忽然と現われる北温泉の一
軒宿です。

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時代ごとに建て増しされて迷路のようになった館内には、各所に仏像や農機具・勲章など各種のオブジェが
飾られ、不思議空間を演出。

もう1本の自家源泉を供している女性専用の内湯“芽の湯”に入湯できないのはとても残念でしたが、温泉
はもちろん、つげが投宿した40年前とほとんど変わらない秘湯感に溢れた湯治宿らしい雰囲気ともども、期
待を上回る素晴らしい湯宿でした。                            〔13.12.29〕
湯気抜きを備えたコンクリート打ち
っ放しの浴室の中央には、3.3×1.7
mほどの長方形を呈したコンクリー
ト湯船が鎮座。

脱衣所から見て左壁の真ん中から突
き出している湯口から、裏山の岩肌
を滝のように流れ落ちている自家源
泉が惜しげもなくザバザバと注がれ、
湯船の周りにはオーバーフローした
湯が常時流れていました。
左手前のパイプ湯口から
掛け流されているのは、
天狗の湯と同じ天狗の湯
源泉。

水カランから加水された
適温の透明湯はほぼ無味
無臭で、相の湯ほどでは
ありませんが、肌がつる
っとしました。
その天狗の湯は、先客で大盛況の様子。
そこでまず目指したのは、かつては唯一の混浴風呂であったことか
らその名が付いたという“相の湯”です。

浴場は売店の右横の階段を下り、備え付けの下駄に履き替えて梅の
間の横を抜けて外に出ると左手にあり、差し掛け屋根の段差を利用
して湯気抜きを設えた趣のある木造浴舎は明治時代の建築とのこと
です。
妻側の入口を入ると手前右手が男湯、奥が女湯となっており、板張
りの脱衣所には、右側にプラスチック籠3個を備えた2段の棚、向か
いには腰掛けが設えられています。
案内していただいたのは、寛ぎ処の裏手に回った
先にある急階段で2階へ上り、廊下をまっすぐ進
んだ最奥右手にある安政期の松321号室(7.5畳)。
今から5年以上前、温泉雑誌の掲載写真で目にした大きな朱塗りの天
狗面に見下ろされた仄暗い浴室に魅了されて以来、いつの日か泊まり
で訪れたいと熱望していた宿であったこともあり、初の栃木県湯めぐ
り遠征の2日目に宿泊することにしました。

憧れの温泉地へようやく訪れることができた喜びを抑えながら石段を
上り、右手に提灯がぶら下がった格子戸の玄関を入ると、正面には左
右に古い和箪笥や液晶テレビが置かれた畳敷きの居間と5名分のソフ
ァを横に並べた寛ぎ処、右側にタイムスリップしたかと勘違いしてし
まいそうなレトロな帳場と売店があり、ノスタルジックな雰囲気にた
ちまち引き込まれてしまいます。
客室棟は寄棟造りの木造建物3棟から
なり、10段の石段の上に建つ正面奥の
3階建て建物が江戸時代末期の1858(安
政5)年、その左手前の3階建てが明治
時代、その向かいが昭和に建てられた
もので、客室はそれぞれ松の間(20室)
・竹の間(14室)・梅の間(9室)と呼ば
れ、宿泊料は税込みで各7700・8700・
9700円となっています。
宝亀年間(770~780)、大天狗が日
光山から出羽国へ向かう途中に発
見したと伝えられる北温泉は、江
戸時代前期の1696(元禄9)年に発
見された温泉で、源泉が幾筋にも
分かれて流れていたことからかつ
ては“岐多温泉”と表記され、三
斗小屋・大丸・弁天・八幡・那須
湯本・高雄の各温泉とともに那須
七湯の一つに数えられています。