住 所   熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川
  電 話   
 営業時間   7:30~19:00
 入浴料   100円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   
  泉 質   
 湧出量       ℓ/min
 泉 温        ℃
 pH   
 成分総計        g/㎏
 





 入浴履歴   初訪12.04.29
 評 価   ★★★★★★
 黒川温泉
穴湯共同浴場
                     くろかわおんせん あなゆきょうどうよくじょう
左奥には擁壁を利用する形で奥行
き5.3mほどの長いコンクリート
湯船が設けられ、湯船を満たした
底がかろうじて見える程度に濁っ
た褐色半透明の適温の湯からは、
弱い金気臭と少酸味が感じられま
した。
『穴湯共同浴場』は、観光旅館協同組合「風の舎」の東からべっちん
坂と呼ばれる細い坂道を下り、田の原川に架かる丸鈴橋の手前で川の
畔を上流側へ向かうと、右岸の川っ縁に所在している混浴の共同浴場
です。

石積みの擁壁に接して建てられた浴舎は、とても年季の入った木造切
妻造り平屋建てで、黒川調で統一された温泉街の中にあって、その存
在自体が奇跡のように思えてきます。
擁壁に隠れるようにして佇んでいる立地と鄙びた外観からは、ジモ泉
のような印象を受けるものの、嬉しいことに夜7時までは外来客にも
開放されており、利用者は浴舎の右手前に立つポストのような料金入
れに入浴料を納めるようになっています。
数軒の宿からなる湯治場から出発し、1964年の別府阿蘇道路(やまな
みハイウェイ)の開通で活況を呈した一時期を除き、ほとんど日の目
を見ず、閑古鳥が鳴いていた寂れた温泉地が徐々に変貌を遂げ始めた
のは1980年代。

後藤哲也氏を中心に、通りを廊下、各旅館を部屋、温泉地全体を一つ
の旅館と捉える“黒川温泉一旅館”というビジョンのもと、田舎情緒
溢れる自然に抱かれた雰囲気を出すため、個人看板や塀を取り払って
雑木の植林を推し進め、各旅館に露天風呂を設え、1986年には当温泉
の代名詞となった入湯手形を日本で初めて導入しました。
さらに、住民協定を結んで、建物の外観を卵色系の土壁と炭黒色を基
調とする木材で統一し、黒川調と呼ばれる民芸調の風情溢れる独特の
温泉街が形成されました。
黒川温泉は、標高700mを測る阿蘇外輪山の北麓、筑後川の源流である田の原川に沿って29軒の宿泊施設と
共同浴場2か所が点在する、各種温泉ランキングでも常に上位に選ばれているわが国でも屈指の人気を誇る
山間の温泉地です。

開湯をめぐっては、病気の母(父説もあり)のために瓜を盗もうと畑に忍び込んだ孝行息子の身代わりとなっ
てはねられたお地蔵さんの首を、景色の美しい田の原川の畔のこの地に安置したところ、その場所から温泉
が湧き出したという“首なし身代わり地蔵”の説話が伝えられ、江戸時代には熊本藩細川家の御用邸が置か
れ、幕末には13代藩主の細川護久も愛重したとのことです。

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薄暗い老朽化した浴舎内は風情が
あって好感しましたが、時折、観
光客が興味本位に扉を開けて覗い
ていくため、落ち着いて入浴でき
ないのが玉に瑕です。
         〔13.02.28〕
浴場は平石張りで、湯気抜きと採
光のためでしょうか、川側の壁上
半から天井にかけては隙間だらけ
となっています。

入口の扉を入ると、すぐ左手に14
庫の脱衣箱を備えた簀子敷きの脱
衣所があり、奥に続く浴室とは竹
製の目隠しによって画されていま
す。
こうした温泉地あげての環境整備が功を奏し、1990年代の終りごろから盛んにメディアに取り上げられるよ
うになり、現在では年間100万人を超える観光客が訪れる人気の温泉地となりました。

なお、1964年6月には、田の原温泉・満願寺温泉とともに「南小国温泉」として国民保養温泉地に指定され、
2009年版のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、二つ星の観光地として掲載されています。