住 所   熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川6546
  電 話   0967-44-0454
 営業時間   立寄り 8:30~21:00
 入浴料   500円
温泉利用状況   完全放流式 (夏期 加水あり)
   
 源 泉 名   御客屋旅館源泉
  泉 質   単純温泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   73.6  ℃
 pH   3.3
 成分総計   0.8458 g/㎏
    H=0.6/Li=1.1/Na=138.5/K=41.2/Ca=20.1/Mg=5.2/
  Al=3.1/NH4=0.6/Fe2=0.9/Zn=0.3/Mn=0.9(212.4㎎/㎏)
  F=0.8/Br=0.5/Cl=118.0/SO4=318.0(437.2㎎/㎏)
  HAsO2=1.6/H2SiO3=182.1/HBO2=9.3(192.9㎎/㎏)
  CO2=3.0/H2S=0.3(3.3㎎/㎏)
       
〔2008.12.26〕
 入浴履歴   初訪13.04.27
 評 価   ★★★★(暫定)
 黒川温泉
歴史の宿 御客屋
                      くろかわおんせん れきしのやど おきゃくや
一方、仕切り
壁右手の格子
戸の先には、
創業時よりこ
の場所に存在
していたとい
う元湯を文書
記録に基づい
て竹管や杉皮
で再現した屋
根付きの半露
天風呂“古の
湯”が設けら
れています。
内湯である“姫肌の湯”は、それほど広くはないものの、天井に太い梁
を架け渡し、壁を黒褐色の竪板で仕上げた落ち着いた造りで、石板張り
の床は温泉成分によって赤茶けています。

左壁には3基のシャワーカランが並び、障子風の格子戸から柔らかな陽
が降り注ぐ右手には、2.45×2.1mほどの檜風呂が幅一杯に配されてい
ました。
この宿には、御前の湯・代官の湯と姫肌の湯・古の湯という男女時間
交替(6~10時・15~23時)の内湯・露天風呂のほか、宿泊客専用の半
露天風呂 里の湯、貸切内湯の壱の湯・弐の湯という7つの浴場があり、
立寄り入浴の場合は、代官の湯と姫肌の湯・古の湯を利用することが
できます。
訪問時は、里の湯へ向かう石段の手前を左へ入った先にある後者が男
湯となっていました。

壁から天井を美しい白木で仕上げた板張りの脱衣所は、途中から仕切
り壁によって左右斜めに画され、内湯の入口がある左側には、右手に
9個の籠を納めた3段棚、向かいに洗面台がそれぞれ備えられています。
『歴史の宿 御客屋』は、下川端通りから田の原川に架かる丸鈴橋を渡
り、上川端通りを60m余り上ると左側に所在する、創業が江戸時代中期
の1722(享保7)年という当温泉随一の歴史を誇る老舗旅館です。

藩主や重臣・長崎奉行らが上洛下向の際に立ち寄れるよう、熊本藩が阿
蘇郡小国北里手永の惣庄屋に命じて小国郷内の宮原・杖立・田の原・黒
川の4か所に設置した御用宿「御客屋」の一つで、現代までその名を残
す郷内で唯一の湯宿となっています。
田の原川に臨む傾斜地に立地する建物は、木造の地上2階地下1階建てで、
すべて純和風の客室は全10室を数えます。
数軒の宿からなる湯治場から出発し、1964年の別府阿蘇道路(やまな
みハイウェイ)の開通で活況を呈した一時期を除き、ほとんど日の目
を見ず、閑古鳥が鳴いていた寂れた温泉地が徐々に変貌を遂げ始めた
のは1980年代。

後藤哲也氏を中心に、通りを廊下、各旅館を部屋、温泉地全体を一つ
の旅館と捉える“黒川温泉一旅館”というビジョンのもと、田舎情緒
溢れる自然に抱かれた雰囲気を出すため、個人看板や塀を取り払って
雑木の植林を推し進め、各旅館に露天風呂を設え、1986年には当温泉
の代名詞となった入湯手形を日本で初めて導入しました。
さらに、住民協定を結んで、建物の外観を卵色系の土壁と炭黒色を基
調とする木材で統一し、黒川調と呼ばれる民芸調の風情溢れる独特の
温泉街が形成されました。
黒川温泉は、標高700mを測る阿蘇外輪山の北麓、筑後川の源流である田の原川に沿って29軒の宿泊施設と
共同浴場2か所が点在する、各種温泉ランキングでも常に上位に選ばれているわが国でも屈指の人気を誇る
山間の温泉地です。

開湯をめぐっては、病気の母(父説もあり)のために瓜を盗もうと畑に忍び込んだ孝行息子の身代わりとなっ
てはねられたお地蔵さんの首を、景色の美しい田の原川の畔のこの地に安置したところ、その場所から温泉
が湧き出したという“首なし身代わり地蔵”の説話が伝えられ、江戸時代には熊本藩細川家の御用邸が置か
れ、幕末には13代藩主の細川護久も愛重したとのことです。

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両湯船に掛け流されているのは、自家源泉である弱酸性の単純温泉。
無色透明の適温湯からは、弱い金気臭味(内湯の方がより香りが強い)と酸味が感じられ、湯船に浸かると肌
にしっとりと馴染み、浴後は少しベタツキがありました。


初訪となった今回は、単純温泉という泉質以上に個性を有した源泉に大満足。
次回はぜひとも、渓流沿いに造られた回廊を伝って向かう、第12代藩主細川護久公に愛されたという露天風
呂“代官の湯”への入湯を果たしたいと思います。                    〔14.01.30〕
大きな扁額が掲げられたガラス戸
の玄関を入ると、板張りのロビー
の右側にフロントがあり、立寄り
入浴をお願いします。

ロビーから奥へ延びる廊下を左、
右へと進み、突き当たりを左に折
れて階段を下りていくと、下の階
に3室の大広間とともに浴場が設
けられています。
こうした温泉地あげての環境整備が功を奏し、1990年代の終りごろから盛んにメディアに取り上げられるよ
うになり、現在では年間100万人を超える観光客が訪れる人気の温泉地となりました。

なお、1964年6月には、田の原温泉・満願寺温泉とともに「南小国温泉」として国民保養温泉地に指定され、
2009年版のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、二つ星の観光地として掲載されています。