住 所   熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川6608
  電 話   0967-44-0916
 営業時間   立寄り 8:30~21:00
 入浴料   500円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   
  泉 質   ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   74.5  ℃
 pH   
 成分総計        g/㎏
 





 入浴履歴   初訪12.04.28
 評 価   ★★★★ (暫定)
 黒川温泉
山の宿 新明館
                 くろかわおんせん やまのやど しんめいかん
湯船にたっぷりと湛えら
れた湯はやはり適温で、
無色透明の湯からは、焦
げたような湯の香が感じ
られました。

黒川温泉再生の原点に相
応しく、立地環境を巧く
活かし、田舎仕立ての装
置を数々配した雰囲気作
りは、さすがの一言。
一度は宿泊して、その雰
囲気を存分に楽しみたい
湯宿です。 〔13.02.17〕
すぐ目の前を田の原川が流下し、背後は崖の岩肌が露出した野趣溢れる
造りですが、合わせて落石防護のためのコンクリート構造物が付設され
ており、剥き出しで立っているコンクリートの太い柱にいささか興を削
がれました。
石張りの通路をさらに上流側へ向かい、岩戸風呂と書かれた平入りの門を潜
って下っていくと、岩盤を刳り抜いたトンネルがあり、その奥に小さな脱衣
小屋と大小2つの屋根掛けのある広々とした岩風呂が設けられています。
洞窟入口のすぐ左
には丸籠2個が簡
易な棚の上に置か
れ、さらにその奥
にも5個の籠が備
えられています。

洞窟は奥で二股に
分かれた手掘りと
は思えない本格的
なもので、湯船を
満たした無色透明
の適温湯からは、
金気臭がほんのり
香りました。
後藤氏が24歳の
時、宿泊客を呼
び込める名物風
呂を作ろうと鑿
と金槌だけを持
ってコツコツと
掘り始め、3年
半で間口2m、
奥行き30mの洞
窟を完成。
現在の形となる
までには、10年
の歳月を要した
そうです。
本館の建物を抜けると最初に登場す
るのが、右側に東西2つの入口があ
る女性専用の洞窟風呂。
左手には囲炉裏を備えた休憩処があ
り、辺りにはそこから立ち上った煙
が立ち込めていました。

休憩処の横を過ぎ、「新明館物語」
と題した洞窟風呂の説明板が掲げら
れた小さな小屋の先を右に折れると、
穴湯の入口が現われます。
『山の宿 新明館』は、地蔵堂の前から下川端通りを南へ40m足らず、
右手にある瓦葺きの切妻屋根を載せた妻入りの門を潜り、田の原川に架
かる橋を渡った先に所在する、1902(明治35)年に創業された日本秘湯を
守る会会員の老舗旅館で、黒川温泉再興のリーダー的役割を果たした後
藤哲也氏(1931年生)が3代目の館主を務めていることでも知られていま
す。

田の原川に臨んで川と裏山との間の狭小な土地に建つ本館は、黒川の旅
館らしい外壁を卵色に仕上げた木造3階建てで、2002年に右岸側に建築
された別邸の3室を合わせ、客室は全16室を数えます。
秘湯を守る会の提灯が吊り下げられた入口は2階に位置しており、玄関
を入るとすぐ左手が帳場となっていました。
こうした温泉地あげての環境整備が功を奏し、1990年代の終りごろから盛んにメディアに取り上げられるよ
うになり、現在では年間100万人を超える観光客が訪れる人気の温泉地となりました。

なお、1964年6月には、田の原温泉・満願寺温泉とともに「南小国温泉」として国民保養温泉地に指定され、
2009年版のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、二つ星の観光地として掲載されています。
数軒の宿からなる湯治場から出発し、1964年の別府阿蘇道路(やまな
みハイウェイ)の開通で活況を呈した一時期を除き、ほとんど日の目
を見ず、閑古鳥が鳴いていた寂れた温泉地が徐々に変貌を遂げ始めた
のは1980年代。

後藤哲也氏を中心に、通りを廊下、各旅館を部屋、温泉地全体を一つ
の旅館と捉える“黒川温泉一旅館”というビジョンのもと、田舎情緒
溢れる自然に抱かれた雰囲気を出すため、個人看板や塀を取り払って
雑木の植林を推し進め、各旅館に露天風呂を設え、1986年には当温泉
の代名詞となった入湯手形を日本で初めて導入しました。
さらに、住民協定を結んで、建物の外観を卵色系の土壁と炭黒色を基
調とする木材で統一し、黒川調と呼ばれる民芸調の風情溢れる独特の
温泉街が形成されました。
黒川温泉は、標高700mを測る阿蘇外輪山の北麓、筑後川の源流である田の原川に沿って29軒の宿泊施設と
共同浴場2か所が点在する、各種温泉ランキングでも常に上位に選ばれているわが国でも屈指の人気を誇る
山間の温泉地です。

開湯をめぐっては、病気の母(父説もあり)のために瓜を盗もうと畑に忍び込んだ孝行息子の身代わりとなっ
てはねられたお地蔵さんの首を、景色の美しい田の原川の畔のこの地に安置したところ、その場所から温泉
が湧き出したという“首なし身代わり地蔵”の説話が伝えられ、江戸時代には熊本藩細川家の御用邸が置か
れ、幕末には13代藩主の細川護久も愛重したとのことです。

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この宿には、“岩戸風呂”と呼ば
れる混浴露天風呂と混浴の“穴風
呂”、女性専用の“洞窟風呂”の
ほか、男女別の内湯と女性専用露
天“風の湯”、家族風呂の7つの
浴場があり、立寄りの場合は岩戸
風呂と穴風呂・洞窟風呂のみ利用
することができます。
各浴場は本館に向かって左奥に設
けられ、玄関を出て右手の階段を
下り、川沿いの細い通路を上流側
へ向かいます。