住 所   群馬県吾妻郡草津町草津404
  電 話   0279-88-3244
 営業時間   立寄り 11:30~15:00 (休=木)
 入浴料   1000円
温泉利用状況   完全放流式 (加水あり)
   
 源 泉 名   白旗源泉
  泉 質   酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   50.8  ℃
 pH   2.1
 成分総計   1.76 g/㎏
    H=8.91/Na=54.4/K=26.5/Ca=76.5/Mg=37.4/Al=43.9/
  Fe2=17.6/Mn=1.96(267㎎/㎏)
  F=9.5/Br=1.5/Cl=310/SO4=651/HSO4=195
  (1167㎎/㎏)
  H2Si03=216/HBO2=8.1/H2SO4=4.4(229㎎/㎏)
  CO2=88.0/H2S=7.7(95.7㎎/㎏)   
  
〔2013.05.15〕
 入浴履歴   初訪10.09.23
 評 価   ★★★★★★
 草津温泉
山 本 館
                            くさつおんせん やまもとかん
沼田藩真田家の改易後に江戸幕府の天領となった近世には、1717
(享保2)年に8代将軍吉宗が温泉を汲み上げて江戸城に運ばせたり、
小林一茶・十返舎一九・佐久間象山といった文人も訪れています。
また、この時代を通じて60軒に及ぶ湯屋が設けられ、訪問客は1年
に1万人を超えて、“草津千軒江戸構え”と言われるほどの賑わい
ぶりであったそうです。

草津温泉の源泉といえば、岡本太郎のデザインによって温泉街の中
心でロータリー状に整備された湯畑源泉が有名ですが、このほかに
白旗・地蔵・煮川・西の河原・万代鉱といった公的管理されている
源泉や宿泊施設等が所有している小源泉も多数あります。
1975年から硫黄鉱山の坑道で新たに噴出した万代鉱源泉の利用を開
始したのを機に、町による集中管理給湯システムが整備され、一気
に温泉規模が拡大しました。
鎌倉時代初期の1193(建久4)年、源頼朝が浅間山三原野で巻狩りを行っ
た際に発見し、案内を務めた木曾義仲の旧臣細野御殿之助に湯本姓を与
え、地頭として温泉経営を任せたと伝えられていますが、確実な史料と
しては、東国への布教活動を行っていた蓮如が、1472(文明4)年に長野
市にある西厳寺の住職の案内で訪れたというのが初出のようです。

また、1489(延徳元)年には、京都相国寺の禅僧で歌人でもあった万里集
九が、詩文集『梅花無人蔵』の中で有馬温泉・下呂温泉とともにその名
泉ぶりを讃えており、少なくとも室町時代の中頃には温泉地として整備
されていたことが窺われます。
なお、万里による記述は、そのまま江戸時代前期に林羅山が唱えた“日
本三名泉”に引き継がれています。
“草津よいと~こ、一度~は~おいで~(ハドッコイショ)”という湯もみ唄でよく知られる草津温泉は、群
馬県の北西部、草津白根山東麓の標高1170mの高所に、約130軒の宿泊施設、誰でも無料で利用可能な19か所
の共同浴場、飲食店・土産物屋などが集まる、わが国を代表する温泉地の一つです。

毎分36839ℓ、ドラム缶にして1日に25万本という自然湧出量では日本一の豊富な湯量を誇り、加えてpH2.0前
後という日本有数の酸性度から、温泉街に建ち並ぶ旅館や共同浴場のすべてが完全放流式を採っています。
歌にも詠まれているように“若鹿(わか)の湯”あるいは“若
乃湯”と呼ばれ、子宝を授かる湯とされた温泉は、10軒の宿
のみに引湯されているという白旗源泉。
男女別となった浴場は、板張りの廊下を右奥へ進み、白い大暖簾が掛か
った右手の階段を下りた地階にあり、入口前の壁には1783(天明3)年の
浅間山の大噴火の際に流出した溶岩が利用されています。

脱衣所は浴室との間を画したガラス以外は総木造りで、老舗の宿らしい
落ち着きのある良い雰囲気。左奥には造り付けの3段の棚に9個の籠が備
えられていました。
『山本館』は、草津温泉のシンボルである湯畑ともう一つの観光スポ
ットである西の河原園地を結ぶ西の河原通りに面してその起点右手に
所在している、客室数全11室の老舗温泉旅館です。

文政年間(1818~1830)に2度にわたって草津を訪れた十返舎一九の作
品『上州草津温泉道中続膝栗毛』『方言修行善光寺草津温泉道中金草
鞋』(1820年)にも紹介されているという、江戸時代後期に創業した歴
史のある湯宿で、2011年12月9日に国の文化審議会より登録有形文化
財に答申された1928(昭和3)年建築、1935年増築という木造の地上3階
地下1階建ての建物は、鉄板葺きの入母屋屋根に2層の塔屋を付設し、
屋根の妻側を千鳥格子で飾るなどとても風格があり、湯畑に面して建
ち並ぶ建築物の中では一際目を引く存在となっています。

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湯畑源泉
戦国時代には傷病治癒の評価が上がり、丹羽長秀や豊臣秀吉の異父妹で徳川家康の正室になった朝日姫、大
谷吉継・前田利家といった武将らが湯治に訪れているほか、秀吉からは家康に入湯を勧める書状が送られて
います。
木樋を利用してトボトボ
と掛け流されているうっ
すらと白く濁った半透明
の湯からは、明礬を含ん
だ焦げ硫黄臭とレモン汁
のような強酸味が感じら
れ、草津温泉らしいぬる
ぬるした肌触りも楽しめ
ました。
氷雨そぼ降る生憎の空模様の下、提灯の灯りのみの浴場は仄暗く、雰囲気は抜群。
湯張り時に加水して適温に調整された白旗の湯をひとり静かにゆったりと満喫することができ、とても気に
入りました。                                     〔12.03.12〕
浴室は、右側に設けられた3基のシ
ャワーカランが並ぶ洗い場が御影石
で造られ、正面の壁の上半がアーチ
形の窓となっている以外は、すべて
檜造り。

左手には2.8×2.0mほどの湯船が配
され、すぐ横の壁には“あしびきの
山の木には 鶴も来て 千代のふるき
を あらふ若の湯”という和歌とと
もにタイル画が描かれています。
小振りながら重厚な唐破風屋根が
載った玄関を入ると、外観と同様
に白壁と黒褐色の木材との対照が
美しい館内の左手に帳場があり、
立寄り入浴をお願いします。

なお、入浴料は通常1000円となっ
ていますが、今回はこの宿も加盟
している草津の老舗旅館15軒の集
まり“和風村”の内湯めぐり通行
手形を利用して、700円で入湯させ
ていただきました。