住 所   長野県安曇野市穂高有明7226
  電 話   0263-77-1488
 営業時間   立寄り 9:30~16:00 (休=11月下旬~4月下旬)
 入浴料   700円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   御座の湯 / 妙見の湯 / 古事記の湯
  泉 質   単純硫黄泉
 湧出量   18.2 / 14 / 約220 ℓ/min
 泉 温   94.0 / 94.8 / 74.7  ℃
 pH   8.6 / 9.1 / 8.8
 成分総計   0.5902 / 0.6697 / 0.4636 g/㎏
    Na=117.0/K=18.0/Ca=4.2/Mg=0.05/Al=0.03/NH4=痕跡/
  Fe2=0.6(139.9㎎/㎏)
  F=9.7/Cl=69.4/SO4=58.1/HCO3=67.9/CO3=24.2/
  HS=7.0(236.3㎎/㎏)
  HAsO2=0.09/H2SiO3=205.4/HBO2=8.3(213.8㎎/㎏)
  H2S=0.2(0.2㎎/㎏)              〔1991.06.21〕

  Na=143.6/K=17.6/Ca=1.8/Mg=0.03/Al=0.05/Fe2=0.1/
  Mn=0.04(163.2㎎/㎏)
  F=13.3/Cl=74.1/SO4=22.8/HCO3=52.8/CO3=67.7/
  HS=12.6(243.3㎎/㎏)
  H2SiO3=250.3/HBO2=12.8(263.1㎎/㎏)
  H2S=0.1(0.1㎎/㎏)
           〔1992.07.03〕


  Na=95.8/K=10.3/Ca=3.8/Mg=0.04/Al=0.07/NH4=痕跡/
  Fe2=痕跡/Mn=痕跡(110.0㎎/㎏)
  F=8.2/Cl=64.3/SO4=28.2/HCO3=75.7/CO3=15.0/
  HS=4.1(195.5㎎/㎏)
  H2SiO3=153.6/HBO2=4.4(158.0㎎/㎏)
  H2S=0.07(0.07㎎/㎏)             〔1993.11.30〕

 入浴履歴   初訪12.07.14 泊
 評 価   ★★★★★★★
源泉名 白滝の湯   泉質 単純硫黄泉  湧出量 9.1 ℓ/min  泉温 64.8℃

源泉名 大弾正   泉質 単純硫黄泉  泉温 88.6℃

源泉名 菩薩の湯・蛇抜けの湯 混合泉   泉質 単純硫黄泉  湧出量 24.1 ℓ/min  泉温 93.0℃

源泉名 山の神   泉質 単純硫黄泉  湧出量 9.7 ℓ/min  泉温 95.0℃  pH 9.1  成分総計 0.7089 g/kg
  Li=1.0/Sr=痕跡/Na=146.6/K=21.5/Ca=2.0/Mg=痕跡/Al=0.3/Ba=痕跡(171.4㎎/㎏)
  F=12.2/Cl=95.0/SO4=26.2/HCO3=105.6/CO3=36.6/OH=0.2/HS=11.1/HPO4=痕跡(286.9㎎/㎏)
  HAsO2=0.16/H2SiO3=241.9/HBO2=8.4(250.5㎎/㎏)
  H2S=0.1(0.1㎎/㎏) 〔1997.11.17〕

源泉名 薬師の湯1~3号混合泉   泉質 単純泉(アルカリ性)  湧出量 48.3 ℓ/min  泉温 55.3℃  pH 9.0
                       成分総計 0.6502 g/kg

  Li=0.8/Sr=0.04/Na=124.7/K=19.1/Ca=2.5/Mg=0.03/Al=0.09/Fe2=0.03/Mn=0.03(147.3㎎/㎏)
  F=11.0/I=痕跡/Br=0.2/Cl=79.4/SO4=37.5/HCO3=87.9/CO3=33.6/OH=0.2/HS=0.8/HPO4=0.08(250.7㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=245.1/HBO2=6.9(252.2㎎/㎏)
  H2S=0.01(0.01㎎/㎏) 〔2004.12.03〕

源泉名 昭和の湯・平成新湯 混合泉   泉質 単純泉(アルカリ性)  湧出量 38.4 ℓ/min  泉温 54.8℃  pH 9.1
                          成分総計 0.6862 g/kg

  Li=1.0/Sr=0.04/Na=132.5/K=20.9/Ca=2.1/Mg=0.01/Al=0.2/Mn=0.02(156.8㎎/㎏)
  F=12.5/Br=0.3/Cl=90.0/SO4=39.1/HCO3=65.9/CO3=52.2/OH=0.2/HS=0.3/HPO4=0.05(260.6㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=261.4/HBO2=7.3(268.9㎎/㎏) 〔2005.06.26〕

源泉名 滝の湯   泉質 単純硫黄泉  湧出量 53.2 ℓ/min  泉温 93.0℃  pH 9.0  成分総計 0.6106 g/kg
  Na=110.9/K=21.8/Ca=4.0/Mg=0.07/Al=0.1/Fe2=0.8/Mn=0.09(137.8㎎/㎏)
  F=10.4/Cl=49.7/SO4=41.2/HCO3=62.8/CO3=44.7/NO3=0.02/HS=7.0(215.8㎎/㎏)
  H2SiO3=251.6/HBO2=5.3(256.9㎎/㎏)
  H2S=0.08(0.08㎎/㎏) 〔1992.07.03〕

源泉名 滝の湯2号   泉質 単純泉(アルカリ性)  湧出量 8.18 ℓ/min  泉温 76.7℃  成分総計 0.6175 g/kg
  Li=0.8/Sr=0.05/Na=111.9/K=18.3/Ca=2.6/Mg=0.03/Al=0.05/Mn=0.02(133.8㎎/㎏)
  F=10.2/Br=0.2/Cl=75.6/SO4=68.7/HCO3=95.2/CO3=9.0/HS=0.5/HPO4=痕跡(259.4㎎/㎏)
  HAsO2=0.2/H2SiO3=218.2/HBO2=5.9(224.3㎎/㎏)
  H2S=0.02(0.02㎎/㎏) 〔2005.06.28〕

源泉名 蒸し風呂1号   泉質 単純硫黄泉  湧出量 22.8 ℓ/min  泉温 82.8℃  pH 8.8  成分総計 0.6505 g/kg
  Li=0.9/Sr=痕跡/Na=136.2/K=18.1/Ca=2.0/Mg=0.02/Al=0.6/NH4=痕跡/Fe2=痕跡/Mn=痕跡(157.8㎎/㎏)
  F=12.2/Cl=87.4/SO4=49.4/HCO3=44.2/CO3=51.3/HS=5.3(249.8㎎/㎏)
  HAsO2=0.25/H2SiO3=236.2/HBO2=6.3(242.8㎎/㎏)
  H2S=0.09(0.09㎎/㎏) 〔1995.10.12〕

源泉名 蒸し風呂2号   泉質 単純硫黄泉  湧出量 21.2 ℓ/min  泉温 92.1℃  pH 8.7  成分総計 0.6701 g/kg
  Na=146.1/K=17.8/Ca=2.1/Mg=0.02/Al=0.04/Fe2=0.2(166.3㎎/㎏)
  F=11.3/Cl=89.9/SO4=52.5/HCO3=63.5/CO3=45.2/HS=6.2(268.6㎎/㎏)
  HAsO2=0.12/H2SiO3=226.4/HBO2=8.6(235.1㎎/㎏)
  H2S=0.1(0.1㎎/㎏) 〔1991.06.21〕


源泉名 蒸し風呂1号・小鍋立 混合泉   泉質 単純硫黄泉  湧出量 約80 ℓ/min  泉温 77.0℃  pH 9.2
                            成分総計 0.7084 g/kg

  Li=1.0/Sr=0.03/Na=147.2/K=19.3/Ca=1.8/Mg=0.3/Al=0.2/Fe2=0.07(169.9㎎/㎏)
  F=12.8/I=痕跡/Br=0.3/Cl=89.4/SO4=45.0/HCO3=76.9/CO3=45.6/OH=0.3/HS=3.0/AsO2=0.2/BO2=7.5/HPO4=0.1(281.1㎎/㎏)
  H2SiO3=257.4(257.4㎎/㎏)
  H2S=0.02(0.02㎎/㎏) 〔2004.12.03〕



 中房温泉
中 房 温 泉
                                    なかぶさおんせん
一方、右側の半分ほどの大きさ
しかない左手の湯船に打たせ湯
のようにドボドボと注がれてい
るのは、すぐ横の合戦沢を100
mほど遡った妙見岩の下にある
大きな岩の割れ目から湧出して
いる妙見の湯という単純硫黄泉。

少しぬるめの透明湯からは、玉
子臭味と少苦味が感じられ、や
はりつるりと滑らかな肌触りが
ありました。
右奥の木戸から外へ出ると、右手前に5基のシャワーカラン
が並び、前には周りを白っぽい大小の岩で縁取った2つの
コンクリート張り湯船が左右に配されています。

右の湯船に供されているのは、無料駐車場の堰堤で自然湧出
し、貯湯タンクを経由してポンプで900m揚湯されていると
いう、右側の浴場の大浴槽でも利用されている古事記の湯と
呼ばれる単純硫黄泉。
湯船に満たされた無色透明の少し熱めの湯からは、成分臭が
ほんのり香り、甘味が感じられる程度でしたが、肌がつるつ
るしました。
宿泊客専用の浴場への入湯を終え、チェックアウト前に最後に向か
ったのは、1933年に登山者のために建てられた売店の梁や柱をその
まま利用して改装し、2006年5月にオープンした男女別の野天風呂
“湯原の湯”です。

日帰り入浴の受付は9時半からとなっていますが、建物の前は雨宿
りの登山客で大賑わい。
この施設では大小2つの露天風呂をそれぞれ備えた男女日替りの2か
所の浴場があり、ホールを抜けると正面に並ぶ木戸のうち、訪問日
は左側入口の浴場が男湯となっていました。
板張りの脱衣所には、左奥に9個の籠を納めた3段の棚が鉤形に設え
られ、その手前には12庫の鍵付きスチールロッカーも備えられてい
ました。
翌朝、朝食前の朝湯に選んだのが、午後3時から7時までが女
性専用となっていたことから入湯を逃していた、大浴場の向
かい側にある混浴の“岩風呂”です。
一方、脱衣棚の左横を出た先には、低い板塀で画された石板張りの露天
風呂があり、右手前に3基のシャワーカラン、左奥に石板で縁取り、底
をタイルで仕上げた湯船が配されています。

板塀のすぐ間近まで緑が迫り、日中であれば快適な湯浴みが楽しめそう
ですが、訪れた時はこれまで目にしたことがないような巨大な蛾が飛び
交っていたため、早々に退散しました。
右手前の扉から階段を回り込むように下りていくと、サウナのように湯
気蒸した石張りの内湯があり、左側にシャワーカラン4基が鉤形に並び、
右手前に2.0m弱×1.25mほどのタイル張り湯船が配されていました。

木製の湯口から静かに注がれているのは、むし風呂でも利用されていた
蒸し風呂1号と足湯の傍で湧出している小鍋立を混合した単純硫黄泉。
湯船に満たされた無色透明の湯は少し熱めで、しっかりした硫黄臭と苦
味が感じられ、肌もつるつるしました。
部屋へ戻って一休みしていたところ、迂闊にもい
つの間にやら寝入ってしまい、目覚めれば深夜0
時過ぎ。
寝直し前のひとっ風呂として最後に利用すること
にしたのが、食堂の先から板張りの廊下を右へ進
むと突き当たりに設けられている“大湯”です。

左右に並ぶ扉のうち、右側が男湯の入口。
木造りの脱衣所には、右奥に設えられた4段の棚
に5個の籠が備えられています。
仄暗い板張りの浴室の中央には、1.5m強×1.5mほどの木造りの湯船が
奥に寄せて配され、奥壁に設えられたパイプ湯口から200mほど離れた
山中で湧出している浴場名と同名の源泉がドボドボと掛け流されていま
す。
この宿では最も歴史の長い共同浴
場の雰囲気を漂わせた総木造りの
風情のある内湯で、左右に分かれ
た浴場のうち、左側が男湯となっ
ています。

手前側の脱衣所には、白木の壁に
2段の棚が設えられ、4個の籠が備
えられていました。
壁に檜、小屋組みにヒバを使用した白木造りの浴舎は、それぞれ目隠し
が備えられているものの、手前と奥に脱衣所が向かい合う風情のある一
体型の造りで、間には十和田石で縁取られた7.0×2.55mほどの湯船が
設けられています。
食堂に本館の宿泊客が一堂に会
して18時から始まった夕食を手
早く済ませ、湯めぐりを再開。

早速向かったのは、本館梅と松
の間から渡り廊下で結ばれた中
庭の別棟内にあり、19時から22
時までは女性専用時間となる混
浴内湯の“不老泉”です。
洗い場を半分に画すように手前の壁から湯船に向かって突き出した太い
丸太を刳り抜いて設えた湯口からドボドボと注がれているのは、焼山へ
登る途中に見学した昭和の湯・平成新湯という2か所の泉源から引かれ
たアルカリ性の単純温泉。
太い丸太が剥き出しとな
った小屋組みを始めとし
て木材をふんだんに使用
した浴室には、手前左右
にシャワー付き1を含む3
対のカランがそれぞれ並
び、奥には手前中央に大
石を置いた6.5×4.05m
ほどのコンクリート湯船
が横幅一杯に配されてい
ました。
板壁の脱衣所は蒸し暑く、右壁に
設えられた2段の棚には6個の籠が
備えられています。
本館へ戻る途中に立ち寄ったのが、
招仙閣を抜けた先、廊下を挟んで対
峙する岩風呂とともに女性専用時間
が設けられている混浴内湯の“大浴
場”(女性専用 21:00~8:00)です。

廊下から右手の階段を下りると、左
右両側に男女別に分かれた入口があ
り、男湯は右側。
奥行きのある縦長の浴室は大振りな亀甲形のタイル張りで、仕切り壁の
ある右側に寄せて1.85×1.2m弱ほどのタイル張り湯船が配されていま
す。

パイプから静かに加えられている無色透明の熱めの湯は、アルカリ性単
純温泉ということで湯の香はほとんど感じられませんが、つるっと滑ら
かな肌触りを楽しむことができました。
斜面を滝のように流下
する白滝の湯という激
熱の単純硫黄泉をいっ
たん円形槽に溜め、順
次手前側に掛け流すこ
とで湯温調整が行われ
ていますが、手前の浴
槽に満たされた無色透
明の湯は熱めで、藻の
ような湯の香が感じら
れました。
チェックインは15時からということでしたが、地熱蒸しはその前でも利用が可
能という情報を得ていたため、13時半ごろに到着したところ、宿泊手続きを行
っていただけました。
8万坪という広大な敷地には、こ
のほかにも江戸末期以後の建造物
が点在しており、2011年7月25日
には、本館菊・旧湯会所・板倉・
土蔵・田村薬師堂・山の神の社・
温泉大プールという7件が国の登
録有形文化財に登録されました。

また、これに先立つ1980年3月に
は、穂高温泉とともに国民保養温
泉地に指定されています。


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長野県の温泉へ

敷地内では高温の源泉を空冷式あるいは水冷式で冷却する装置が各所で見られ、水を一切加えない100%の
源泉に拘る姿勢には本当に脱帽です。

初訪となった今回は、すべての浴場を回ることに主眼を置いていたために不本意ながら駆け足の湯めぐりと
なってしまいましたが、再訪の機会があれば、それぞれの源泉をじっくりと堪能したいと思います。
                                           〔13.12.23〕
湯船の中央に設えら
れた大小の岩をタワ
ー状に固めた湯口か
ら加えられているの
は、150mほど離れ
た山中で湧出してい
る滝の湯という単純
硫黄泉。
塵のような白い湯の
華がたくさん舞う無
色透明の湯は少し熱
めで、成分臭がほん
のり香り、肌がつる
きししました。
男女共用の脱衣所は小ぢん
まりした造りで、右側に設
えられた2段棚には4個の籠
が納められ、その下にも籠
2個が備えられていました。

すぐ前には石積みの上に板
塀を巡らした半屋根掛けの
浴場が続き、左手前に2基
のシャワーカラン、正面に
広々した石造りの湯船が配
されています。
単純硫黄泉という泉質に
もかかわらず、無色透明
の熱めの湯からはほとん
ど湯の香は感じられませ
んが、湯の中では白い湯
の華が少量浮遊し、つる
っと滑らかな肌触りに好
感。

16か所の浴場の中では最
も気に入り、翌朝、朝食
後にもう一度利用させて
いただきました。
すっかり闇に包まれた中、足湯の裏手にある“むし風呂”で一汗流した
後に訪れたのが、登録文化財の旧湯会所と本館菊の間に位置し、松本藩
主も度々入湯していたとされる“御座の湯”です。
この浴場で利用されているのは、200mほど離れた泉源で自噴
している蒸し風呂2号と呼ばれる単純硫黄泉。
ゆったりした湯船に満
たされた無色透明の湯
は、湯口に近いところ
でかろうじて硫黄臭が
感知できる程度ですが、
肌がつるつるする良泉
でした。
手前側から見て右手には
大小の岩が石庭風に配さ
れており、その奥に設え
られた開口部の外はライ
トアップされていて、雰
囲気抜群です。
夕食の時間が近づいてきたため、
湯めぐりはいったんここで中休み
にする予定でいましたが、フロン
トに確認したところ、20分間貸切
の野天風呂“滝の湯”が空いてい
るということで、予定を変更して
向かうことにしました。
浴場は本館の裏手から薬師堂に向か
って左手へ少し上ると右側にあり、
左右2室に分かれたうち、左側を利
用します。
前面に遮蔽物のまったくない開放的
な雰囲気の良い浴場で、1.85×1.2
mほどのコンクリート湯船には、奥
の竹管の湯口から源泉がトボトボと
注がれ、さらに上方からも打たせ湯
のように加えられています。

この浴場に供されているのは、10m
ほど離れた山中で湧出している滝の
湯2号というアルカリ性単純温泉。
適温となった無色透明の湯は無味無
臭で、肌が少しつるつるしました。
広々した湯船にたっぷり
と満たされた少し熱めの
無色透明の湯からは、ほ
ぼ無臭で苦味が感じられ
る程度ですが、湯口では
硫黄臭がはっきりと感知
でき、肌もつるつるしま
した。
一方、手前側の家族風呂は左右2室に分かれ、今回は右側へ入湯さ
せていただきました。

小ぢんまりした浴室は八角形のタイル張りで、左奥には1.1×0.8m
ほどの木造りの湯船が配されています。
薬師の湯と同一の源泉はやはりほとんど無臭ですが、湯温はぬるめ
で、つるり感も少し弱いような気がします。
無色透明の湯には、少量ながら白い湯の華が浮かび、口に含むと甘
味が感じられました。
宿泊客専用の野天風呂めぐりを終
えて宿へ戻り、一息ついた後に足
を運んだのが、焼山登山道の途中
で自然湧出している薬師の湯1~3
号泉を利用している別館竹の“薬
師の湯”と“家族風呂”です。

奥にある薬師の湯は男女別に分か
れ、男湯は左側。
タイル張りの脱衣所には、左手に
3段の棚が置かれ、4個の籠が備え
られていました。
褐色の湯の華が多数舞う無色透明のぬるめの湯からは、弱硫
黄臭と苦味が感じられ、湯に浸かると肌がつるつるしました。
簾で目隠しされた谷間に
奥側のみ岩を積んだ略円
形のコンクリート湯船が
設えられ、背後には片流
れ屋根のオープンな脱衣
小屋が付設されています。
湯船に満たされているの
は、すぐ裏手の山中で湧
出している菩薩の湯・蛇
抜けの湯という2本の源
泉を混合した単純硫黄泉。
正面玄関から10分足らず
下り、湯原の湯を過ぎた
先で県道から逸れて右手
に分け入ったところに設
けられているのが、混浴
野天風呂の“菩薩の湯”
です。

白滝の湯と同様、入浴は
夕方までに限られていま
す。
正面玄関へ下る遊歩道沿いには、温泉大プールや簾で仕切ら
れた中で備え付けの茣蓙・毛布を利用して簀子の上に横たわ
り、地熱温浴を楽しむことができる“地熱浴場”が点在。
脱衣所を兼ねた切妻造
りの木造小屋の中に置
かれている大木を刳り
抜いて造られた一人用
の湯船に湛えられてい
るのは、月見の湯の上
方、中房神社の真下で
湧出している山の神と
呼ばれる単純硫黄泉。

無色透明の適温湯から
は、硫黄臭が香り、肌
がつるつるしました。
次に向かったのは、温泉大プールの少し山側に設けられてい
る半露天風呂の“ねっこ風呂”です。
竹管を利用し
てドボドボと
注がれている
のは、下って
きた道の途中
に湧出してい
る大弾正とい
う単純硫黄泉
で、無色透明
の少し熱めの
湯からは硫黄
臭が香り、つ
るつるした肌
触りが印象に
残りました。
周りを大小の白っぽい岩で縁取った豆のような形をしたコン
クリート張りの湯船は前後2槽に仕切られ、さらにその奥に
小さな円形槽が付設されていました。
“綿の湯”という足湯と薬師堂の
間に設定された登山口から源泉の
空冷装置や泉源を見学しながら焼
山へ登り、持参したじゃがいもで
今回の目的である地熱蒸しを体験。
再び湯めぐりに戻り、焼山から反
時計回りに下り切った別館西側の
高台に設けられている混浴野天風
呂の“月見の湯”を目指します。

白滝の湯より大振りな岩で周りを
縁取った略円形のコンクリート張
りの湯船で、すぐ右側に小さな木
造の脱衣小屋が付設されています。
足湯 綿の湯
源泉空冷装置
昭和の湯・平成新湯 泉源
荷解きもほどほどに、焼山へ登るついでに
湯めぐりを開始。

本館の裏手へ回り、記念すべき初入湯の浴
場として選んだのは、入浴時間が夕方まで
に制限されている“白滝の湯”です。
本館菊の東側を左へ折れ、山道を登ってい
くと、山の斜面下に設置されている混浴の
野天風呂で、手前には右手に簡素な2段の
棚を備えた切妻造りの脱衣小屋が設けられ
ています。
利用させ
ていただ
いた部屋
は、本館
1階の食
堂を抜け
た左手の
梅6(6畳)
です。
2006年に日帰り入浴施設の「湯原の湯」が新設されましたが、未利用を含めて
36本に及ぶ自家源泉を活かした16か所の浴場を有し、裏山の焼山では100℃を
超す地熱を利用した地熱蒸しが楽しめるという情報を見聞し、7月の3連休に宿
泊することにしました(旧館部屋改装記念プラン 1泊2食9975円+入湯税)。
田村薬師堂
 
焼山登山口の左手に位置する、1848(嘉永元)年
  に建築された宝形造り鉄板葺きの平屋建てで、
  正面を引違いの格子戸とした仏堂。
温泉大プール
 
敷地の南西に位置する、1923(大正12)年に有明花崗岩の切石を4段積み
  上げて壁面を造った長さ17m、幅8.7m、深さ1.2mの規模を擁
する温泉を
 利用した屋外プール。
本館菊
 西側に木造平屋建ての浴場“御座の湯”を併設した、明治中期に建てられた
 切妻造り鉄板葺きの木造2階建ての東西棟で、ウェストンも宿泊。
旧湯会所
 
明治前期に建てられた、御座の湯を挟んで本館菊
  の南西に位置し、北側を鉄板葺き、南を石置板葺
  きとした切妻造り木造2階建ての東西棟。
宿泊客専用の駐車場に車を停め、
奥へ歩を進めると、懐かしい赤い
丸型ポストとお馴染みの秘湯を守
る会の提灯を擁した切妻造り2階
建て建物の玄関に到着。

1階がフロントと売店、2階が大広
間となったこの建物を挟んで、右
側には梅・竹、松、菊という3棟
の木造建物からなる本館、左に招
仙閣と別館がそれぞれ配され、客
室は全50室を数えます。
『中房温泉』は、山麓線と呼ばれる県道塩尻鍋割穂高線(25号)から槍ヶ岳矢村線(327号)で北西へ14㎞足ら
ず、幅員の狭い山道をクネクネと30分ほど上っていくと辿り着く、飛騨山脈(北アルプス)の中腹、標高1462
mの中房川と合戦沢の合流点に湯けむりを上げる中房温泉の一軒宿です。
1821(文政4)年、松本藩の命を受けた百瀬茂八郎が、生糸の艶を出す
のに必要となる明礬を採掘するために入山し、湧出した温泉を利用し
て設置した湯小屋を嚆矢とする日本秘湯を守る会の会員でもある山の
宿ですが、804(延暦23)年、坂上田村麻呂がこの地に棲む魏志鬼“八
面大王”を退治した後、流行した疫病を鎮めるために建立した満願寺
で祈祷していると湧き出したという開湯伝説も残されています。

燕岳(2763m)への登山口に位置していることから皇族や文人・軍人な
ど多くの来訪があり、1912(明治45)年8月には、『日本アルプスの登
山と探検』を著して日本アルプスを世界に紹介した英国人宣教師ウォ
ルター・ウェストン(1860~1940)も宿泊しています。
湯元大弾正