住 所   栃木県那須郡那須町湯本181
  電 話   0287-76-3098
 営業時間   8:00~18:00
 入浴料   400円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   鹿の湯・行人の湯 混合泉
  泉 質   単純酸性硫黄泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   57.8  ℃
 pH   2.6
 成分総計   0.899 g/㎏
    H=2.5/Na=28.5/K=6.4/Ca=66.8/Mg=22.1/Al=7.6/
  Fe2=0.7/Mn=1.2(135.8㎎/㎏)
  F=0.9/Cl=76.0/SO4=370.1/HSO4=31.3(478.3㎎/㎏)
  H2SO4=0.2/H2SiO3=225.3/HBO2=3.3(228.8㎎/㎏)
  H2S=56.3(56.3㎎/㎏)   
         
〔2009.02.25〕
 入浴履歴   初訪12.09.13,最終12.09.14(2回目)
 評 価   ★★★★★★★
 那須湯本温泉
元 湯 鹿 の 湯
                        なすゆもとおんせん もとゆ しかのゆ
那須湯本温泉は、東北自動車道の那須I.Cから県道那須高原線(17号)で北北西へ11.5㎞余り、九尾の狐の逸
話が伝わる“殺生石”近くに源を発して流下する湯川と那須街道と呼ばれる県道沿いに30軒ほどの旅館・ホ
テル・民宿が点在する、那須連山の主峰 茶臼岳(1915m)の南東麓に湯けむりを上げる温泉地です。

舒明天皇2年の630年頃、那須野ヶ原 茗荷沢の住人 狩野三郎行廣が、山狩りで射損じた白鹿が谷間で温泉に
浴して矢傷を癒しているのを見て発見し、“鹿の湯”と名付けたと伝えられる古湯で、正倉院に残る738(天
平10)年の文書『駿河国正税帳』には、従四位下 小野朝臣牛養が「下野国那須湯」へ12名の従者を帯同して
病気療養に訪れたことが記録されています。
簀子を敷いたような板張りの浴室に下りると、まず一番手前
に2条の打たせ湯とその両側に掛け湯をするための“あらい
湯”、そのすぐ横に“かぶり湯”があり、タオルを被せた頭
部に大人で200回、子供で100回ほど柄杓で湯を被ると、のぼ
せや湯あたりを防ぐことができるそうです。
低い衝立を挟んだその先には1.5m強×1.5mほどの木造湯船
が2槽1組で3列分配され、左手前から41・42・43・44・46・
48℃に湯温調整された濁り湯が湛えられていました。

木樋状の湯口から各湯船に掛け流されているのは、開湯以来
守り続けられてきた那須温泉発祥の湯である鹿の湯源泉に行
人の湯を加えた混合泉。
ほんのり青み掛かった白濁湯からは、芳ばしい硫黄臭が香り
立ち、湯に浸かると肌が少しぬるっとしました。
横に長い浴舎のうち、右半が男湯、左半が女湯で、渡り廊下(2013年1~
2月 女湯とともに改装)の突き当たりから板張りの細い廊下を右に向か
うと、一番奥左手が男湯の入口となっています。

脱衣所と浴室との間には最大で4段分の高低差があるものの、打たせ湯
の前に積まれた板石以外には仕切りのない一体型の造り。
三方の壁に設えられた3段の棚には33個の籠がずらっと並び、その前に
置かれた3段の棚にも各段4個ずつの籠が備えられていました。
大正時代に建てられたという玄関
を入って左側の下足箱に履物を預
け、正面の受付で入浴料を支払い
ます。

明治時代に建築されたとされる浴
舎は右岸側にあり、川に臨んで建
つ越屋根の湯気抜きを載せた木造
平屋建ての建物は、明治以来の姿
をそのまま受け継いだとても趣の
ある造りをしています。
『元湯 鹿の湯』は、温泉街の最奥、
県営那須湯本駐車場の北端から遊歩
道を下りていくと湯川を跨いでその
両岸に所在する、浴場名に冠された
“元湯”の名に相応しく当温泉の象
徴的な存在となっている共同浴場で
す。

木造りの橋で左岸側に渡って左手の
階段を上ると、休憩室が併設された
受付棟に到着。
中世以降には、源 頼朝・日蓮上人・松尾芭蕉といった歴史上の人物
が入湯し、江戸時代には、江戸在府の諸大名もしばしば湯治に訪れ、
温泉街の形成も進みましたが、1858(安政5)年6月14日に集中豪雨によ
る山津波が発生し、家屋流出13戸・死者18名の大惨事となりました。
被災後、14代黒羽藩主大関増徳の援助で温泉を湯川右岸の高台に移し
て復興。5か所の湯屋を創設し、28軒の湯宿が営業を再開しました。


なお、江戸末期以降、当温泉をはじめとして、茶臼岳山麓周辺に点在
する板室・大丸・弁天・北・高雄・三斗小屋の各温泉が“那須七湯”
と総称されてきましたが、現在は、地理的に少し離れた板室温泉に代
わって1890(明治23)年に開湯した八幡温泉が七湯に加わり、さらに、
1923(大正12)年に大丸温泉から引湯に成功して開発された新那須温泉
を加えて“那須八湯”と呼んでいます。

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休日などは凄まじい込み具合と耳にしていましたが、夕暮れ時に訪問したのが幸いしたのか、入浴客の数は
それほどでもなく、長年入湯を願っていた極上湯を48℃を除いた各湯船でじっくりと楽しませていただきま
した。
往時の湯治場の雰囲気を偲ばせる赤松造りの浴場は、予想以上に風情たっぷり。
あまりの素晴らしさに魅了され、翌朝もう一度訪れてしまいました。            〔13.06.08〕