住 所   栃木県那須郡那須町湯本33
  電 話   0287-76-2016
 営業時間   立寄り 9:00~20:00
 入浴料   400円 (1時間以内)
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   鹿の湯・行人の湯 混合泉
  泉 質   単純酸性硫黄泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   57.8  ℃
 pH   2.6
 成分総計   0.899 g/㎏
    H=2.5/Na=28.5/K=6.4/Ca=66.8/Mg=22.1/Al=7.6/
  Fe2=0.7/Mn=1.2(135.8㎎/㎏)
  F=0.9/Cl=76.0/SO4=370.1/HSO4=31.3(478.3㎎/㎏)
  H2SO4=0.2/H2SiO3=225.3/HBO2=3.3(228.8㎎/㎏)
  H2S=56.3(56.3㎎/㎏)   
         
〔2009.02.25〕
 入浴履歴   初訪12.09.14
 評 価   ★★★★★★
 那須湯本温泉
雲 海 閣
                            なすゆもとおんせん うんかいかく
中世以降には、源 頼朝・日蓮上人・松尾芭蕉といった歴史上の人物
が入湯し、江戸時代には、江戸在府の諸大名もしばしば湯治に訪れ、
温泉街の形成も進みましたが、1858(安政5)年6月14日に集中豪雨によ
る山津波が発生し、家屋流出13戸・死者18名の大惨事となりました。
被災後、14代黒羽藩主大関増徳の援助で温泉を湯川右岸の高台に移し
て復興。5か所の湯屋を創設し、28軒の湯宿が営業を再開しました。


なお、江戸末期以降、当温泉をはじめとして、茶臼岳山麓周辺に点在
する板室・大丸・弁天・北・高雄・三斗小屋の各温泉が“那須七湯”
と総称されてきましたが、現在は、地理的に少し離れた板室温泉に代
わって1890(明治23)年に開湯した八幡温泉が七湯に加わり、さらに、
1923(大正12)年に大丸温泉から引湯に成功して開発された新那須温泉
を加えて“那須八湯”と呼んでいます。
那須湯本温泉は、東北自動車道の那須I.Cから県道那須高原線(17号)で北北西へ11.5㎞余り、九尾の狐の逸
話が伝わる“殺生石”近くに源を発して流下する湯川と那須街道と呼ばれる県道沿いに30軒ほどの旅館・ホ
テル・民宿が点在する、那須連山の主峰 茶臼岳(1915m)の南東麓に湯けむりを上げる温泉地です。

舒明天皇2年の630年頃、那須野ヶ原 茗荷沢の住人 狩野三郎行廣が、山狩りで射損じた白鹿が谷間で温泉に
浴して矢傷を癒しているのを見て発見し、“鹿の湯”と名付けたと伝えられる古湯で、正倉院に残る738(天
平10)年の文書『駿河国正税帳』には、従四位下 小野朝臣牛養が「下野国那須湯」へ12名の従者を帯同して
病気療養に訪れたことが記録されています。
両湯船に湛えられた濁り
湯は、ガラス戸から射し
込む柔らかな陽光に美し
く映え、神々しく見えま
した。
竹の手すりが添えられた急傾斜の階段をギシギシさせながら
向かった浴室は、湯治場のような風情を感じさせる鄙びた雰
囲気。
両端のガラス戸から出入りできる浴
室は、腰壁が石板、床が簀子敷きの
ような板張りで仕上げられ、正面に
は1.7m強×1.4mほどの2槽に分か
れた木造の湯船が配されています。

両湯船に供されているのは、鹿の湯
以外では12軒の宿泊施設で楽しむこ
とができる鹿の湯源泉と行人の湯源
泉の混合泉。
那須湯本では通有の木栓をした湯口
で湯量を加減することで、右側の少
し青みを帯びた白濁湯では42℃強、
源泉がドボドボ加えられている左側
の白緑色の濁り湯(透明度約25㎝)で
は44~45℃ほどに湯温調整され、い
ずれの湯からも、弱硫黄臭と少レモ
ン酸味が感じられました。
『雲海閣』は、東野交通バスの湯本
1丁目バス停から那須街道を下り、
60m先で右斜めに分かれる坂を経て
1本西側の通りを80mほど上ると右
手に所在する、江戸時代の鳥瞰図に
「常盤屋」の名で表わされていると
いう素泊まり専門の老舗旅館です。

終戦後に建てられたという木造2階
建ての建物は、寄棟のトタン屋根が
錆びて赤茶けるなど年季の入ったも
ので、客室は全10室を数えます。

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なお、この宿には、大丸温泉より上方の明礬沢(奥の沢)の噴気を利用して造成された奥の沢温泉を引く“明
礬泉”というもう一つの浴場があるとのことでしたが、ご主人から特に説明はなく、こちらも確認を失念し
てしまいました。
再訪の機会があれば、ぜひ確かめたいと思います。                    〔13.06.14〕
浴場は脱衣所・浴室とも奥行きの
ない横長の長方形を呈し、板張り
の脱衣所には、左右両端に1段4庫
の脱衣箱が設えられ、右側に4個、
左に5個のプラスチック籠が備え
られていました。
“硫黄泉”と呼ばれている浴場は、帳場の右横を奥
へ進んで左手の階段を12段下り、途中、岡山県奥津
温泉の東和楼や群馬県四万温泉の積善館を想起させ
るような仄暗い簀子敷きのトンネルを潜り、再び木
造りの階段を48段下りたところにあり、左へ4段上
った先に男湯、通路を右へ進んだ左手に女湯が設け
られています。
“鹿の湯源泉 かけ流しの宿”と
白く染め抜かれた色褪せた涅色の
タペストリーを横目にガラス戸の
玄関を入り、真ん中の通路を奥へ
進むと突き当たりに帳場があり、
居合わせたご主人に立寄り入浴を
お願いします。