住 所   長野県下高井郡野沢温泉村豊郷寺湯
  電 話   
 営業時間   5:00(12~3月 6:00)~23:00
 入浴料   寸志
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   上寺湯 〔受湯槽 採湯〕
  泉 質   含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温   76.5 ℃
 pH   8.7
 成分総計   1.035 g/㎏
    Na=204.4/K=8.0/Ca=85.7/Al=0.6/NH4=1.1(299.8㎎/㎏)
  F=1.0/Cl=83.9/SO4=482.8/HCO3=19.7/CO3=18.0/
  HS=8.3(613.7㎎/㎏)
  H2Si03=113.0/HBO2=8.1(121.1㎎/㎏)
  H2S=0.2(0.2㎎/㎏)             
〔2007.06.29〕
 入浴履歴   初訪08.07.25
 評 価   ★★★★
 野沢温泉
上 寺 湯
                            のざわおんせん かみてらゆ
鎌倉時代には「犬養御湯」と呼ばれ、承久の乱(1221年)で佐渡へ配流
となった順徳天皇により、名取御湯(宮城県 秋保温泉)・信濃御湯(長
野県 別所温泉)とともに『三御湯』に選定されています(犬養御湯で
はなく、三函御湯=福島県 いわき湯本温泉の説もあり)。
1272(文永9)年には、湯山村という名で歴史に登場しています。

江戸時代には、1639(寛永16)年に藩主となり、飯山藩の基礎を固めた
松平忠倶によって御殿湯が置かれ、合わせて浴場や宿を湯治場として
整備し、広く一般にも開放したことから、多くの民衆がこの山里を湯
治に訪れるようになり、明治初期には3年間で2万人以上を数えるほど
になりました。
野沢温泉は、上信越自動車道の豊田飯山I.Cから国道117号と県道飯山野沢温泉線(38号)経由で20㎞余り、毛
無山(1650m)の西麓に旅館・ホテル・民宿など200軒以上の宿泊施設が集まる、“温泉大国”信州を代表す
る温泉地です。

開湯については、聖武天皇の時代(724~748)にこの地を訪れた行基が発見したとされていますが、そのほか
にも、修行をしていた山伏が見つけた、あるいは、手負いの熊が傷を負った手を湧出口に浸しているのを猟
師が見つけ発見した、という説も伝わっています。

湯船に掛け流されている清澄な透明湯は、麻釜の一つ、丸釜の湯(現在
は上記源泉)。
湯の中ではごく少量ながら白い湯の華も見られ、茹で玉子の匂いのよう
な硫黄臭味と微芒硝臭が感じられる、肌のつるつるする良い湯でした。


80℃を超す高温泉であるにもかかわらず、湯温調整がされた直後であっ
たのか、熱めながらも比較的浸かりやすい湯温となっており、芳ばしい
湯の香に包まれて気持ちの良い一時を過ごさせていただきました。
                           〔10.09.26〕
切妻屋根の上には高さのある湯気
抜きが載せられ、最近塗り直され
たのか、外装の板張りは初訪時よ
り鮮やかに感じました。

正面の中央にはアルミサッシの入
口扉があり、向かって左手の女湯
の入口横には、十二神将の一人で
ある“波夷羅(はいら)大将”が、
この浴場の守り仏として祀られて
います。
野沢温泉村では38か所の泉源が知られ、古くは「釜潭」(熱湯がたぎる
縁)と呼ばれた“麻釜(おがま)”では、地元住民が野沢菜や卵などを茹
でるのに利用しています。

また、村内には御殿湯であった大湯をはじめ13か所の共同浴場(外湯)が
点在しており、江戸時代から湯仲間という制度によって守り続けられて
きました。
現在でも、この株仲間が当番制で清掃や管理に当たり、宿泊客はもちろ
んのこと、日帰りの観光客も寸志で入浴することができます。

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脱衣所から見て横に長い長方形の浴室は、腰壁以下が湯船も
含めてすべて御影石の石板張りで、正面には2.15×1.2mほ
どの長方形の湯船が、壁に一長辺を寄せて配されています。
脱衣所のすぐ横に洗面器
が前に置かれた源泉枡が
あり、恐らく別府の共同
浴場のようにここで一旦
高温の源泉を冷まし、壁
際の真ん中にある石皿の
ような湯口を介して、湯
船へ供しているものと思
われます。
右の扉から中へ入ると、左手の仕切
り壁に沿って設えられた16庫の脱衣
箱の前に簀子が敷かれ、そこから一
段下がった右側が浴室となった一体
型の造りをしています。

ただし、浴室から全体が見渡せるわ
けではなく、入口から途中までは壁
で目隠しされています。
『上寺湯』は、横落交差点から北へ160mほど進み、真湯に向かう途中で左手に現われる“熊の手洗湯温泉
街”のアーケードから坂を下って約140m、湯沢川を過ぎた先を右へ折れると坂の途中に所在する外湯です。

浴舎は、造りは比較的新しいものの小振りで趣のある木造の湯屋建築で、石積みの基壇によって水平面を確
保し、その上に屋舎を建ち上げています。