住 所   岡山県苫田郡鏡野町奥津53
  電 話   0868-52-0031
 営業時間   立寄り 10:00~16:00
 入浴料   800円
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   東和楼岩風呂
  泉 質   単純温泉(アルカリ性)
 湧出量   105  ℓ/min
 泉 温   42.6 ℃
 pH   9.2
 成分総計   0.141904 g/㎏
    Na=26.657/K=5.474/Ca=6.146(38.277㎎/㎏)
  Cl=12.070/SO4=24.179/HCO3=33.364/CO3=3.126/
  OH=0.272/Si03=0.011/HSiO3=7.291(80.313㎎/㎏)
  H2Si03=23.266(23.266㎎/㎏)
  C02=0.048(0.048㎎/㎏)    〔1962.05.07〕

 入浴履歴   初訪07.07.01,最終07.09.10(2回目)
 評 価   ★★★★★★★
 奥津温泉
東 和 楼
                               おくつおんせん とうわろう
光の具合によって
ラムネ色に見える
無色透明の清澄な
湯は、足元から湧
出しているだけあ
って鮮度抜群。

夏季には少し熱め
に感じましたが、
成分臭が仄かに香
り、肌がつるつる
しました。
河畔の岩盤を利用したという名物の岩風呂は、男湯は4名、
女湯は3名で一杯となるほどの小ぢんまりとした大きさで、
両者は中で繋がっています。
いずれも小さな脱衣所からさらに下がったところに設置され
ており、深さ1mを超す湯船の底は横を流れる吉井川の河床
より低い位置にあるそうです。

底に穿ったボーリングホールに突き立てられた塩ビ管からは、
地下40mから湧出しているという自家源泉が湯面が盛り上が
るほど多量に自噴し、奥壁の下に開けられた排水口から流れ
出ていました。
ただし、初訪の際に遭遇しましたが、川が増水すると川の水
が逆流し、浴場全体が冠水してしまいます。
立寄り入浴の際は、館内に入ると右手にある
帳場で入浴料を直接支払いますが、この温泉
地では2種の入浴手形を販売しており、これ
を利用すれば3か所の湯宿・入浴施設で入湯
することができ、とてもお得です(2014.12.
25 終了)。

浴場はロビー奥の階段で地下に下り、アーチ
形の地下トンネルを潜った先を左へ折れた突
き当たりに設けられており、そのアプローチ
は時間を超えていくようなとても不思議な感
覚を抱かせてくれました。
奥津温泉は、中国自動車道の院庄I.Cから国道179号で北へ20㎞余り、吉井川に架かる奥津橋を中心に7軒の
宿泊施設が集まる山間の静かな温泉地で、湯郷温泉・湯原温泉とともに「美作三湯」と呼称されています。
大国主命の命で巡撫使として地方を巡っていた大巳貴命と少彦名命が発見したという神話はさておき、戦国
時代の末期には、宇喜多詮家と名乗っていた後の津和野藩主 坂崎直盛(1563?~1616)がこの湯に浸かって傷
を癒したとされ、1603(慶長8)年に津山藩主となった森忠政(1570~1634)は、この湯を大変気に入って専用
の湯治場を設け、領民が利用できないよう鍵を掛けて湯番を置いたと伝えられています。
大正時代には温泉街が形成され、1933年に与謝野鉄幹・晶子夫妻が訪れているほか、戦後には版画家の棟方
志功がたびたび投宿していたそうです。
また、1947年に発表された藤原審爾の『秋津温泉』はこの温泉地をモデルに執筆され、1962年に松竹によっ
て映画化された際にロケ地となったことで一躍有名となりました。
1966年8月には国民保養温泉地に指定され、日本観光地百選にも選ばれています。

なお、かつてこの地には、川の畔で湧出する温泉を利用して洗濯をする際に、周囲に棲息する熊や狼から身
を守るために見張りながら立ったままで行う“足踏み洗濯”という風習があり、現在、日曜・祝日の8時半
から奥津橋の下で観光用に実演されています。

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今世紀に入って全館リニューアルした隣の奥津荘と比べると、施設的には正直少し見劣りしましたが、湯船
の鄙び具合と浴場の雰囲気、そして圧倒的な湯量から、個人的にはこちらの方が好みです。

なお、初訪時のトラブルの際、女将さんの心配りで2階にあるタイル張りの家族風呂を利用させていただき
ました。同じ湯をポンプアップして掛け流しています。                  〔10.07.09〕
女 湯
家族風呂
男 湯
『東和楼』は、奥津橋を渡って北へ
向かう旧国道の左手、3軒並んだ温
泉旅館の真ん中に位置する1928年創
業の老舗旅館です。

木造3階建ての建物は、2階の間に小
さな屋根が付設されているために一
見4階建てに見えますが、どっしり
とした風格があり、歴史の長さを偲
ばせてくれます。