住 所   熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽2331
  電 話   0967-67-0006
 営業時間   2016.04 熊本地震の被害により休業
 入浴料   600円
温泉利用状況   完全放流式 (天の湯・かじかの湯は、夏期加水
          あり)
   
 源 泉 名   滝の湯 / 元湯 / 油湯
  泉 質   単純温泉
 湧出量   50 / 178 / 68  ℓ/min
 泉 温   43.0 / 51.5 / 57.1  ℃
 pH   6.23 / 6.78 / 6.81
 成分総計   0.7365 / 0.7571 / 0.7734  g/㎏
    Na=27.6/K=12.8/Ca=37.1/Mg=21.9/NH4=1.9/Fe2=2.0/
  Mn=1.2(104.5㎎/㎏)
  F=0.6/Cl=9.0/SO4=128.8/HCO3=174.2/HS=0.2
  (312.8㎎/㎏)
  H2SiO3=200.6/HBO2=2.5(203.1㎎/㎏)
  CO2=114.6/H2S=1.5(116.1㎎/㎏)
     〔2004.11.30〕

  Na=29.3/K=14.0/Ca=38.3/Mg=21.4/Al=0.1/NH4=2.5/
  Fe2=1.4/Mn=1.3(108.3㎎/㎏)
  F=0.5/Cl=8.5/SO4=132.3/HCO3=186.4/HS=0.5
  (328.2㎎/㎏)
  H2SiO3=224.5/HBO2=2.7(227.2㎎/㎏)
  CO2=92.5/H2S=0.9(93.4㎎/㎏)       〔2004.11.30〕

  Na=39.6/K=18.7/Ca=43.4/Mg=22.3/Al=1.6/NH4=2.0/
  Fe2=0.5/Mn=1.3(129.4㎎/㎏)
  F=0.5/Cl=10.0/SO4=215.1/HCO3=134.4/HS=0.3
  (360.3㎎/㎏)
  H2SiO3=243.4/HBO2=4.6(248.0㎎/㎏)
  CO2=35.2/H2S=0.5(35.7㎎/㎏)     〔2004.11.30〕
 入浴履歴   初訪12.04.28 泊
 評 価   ★★★★★★
 垂玉温泉
山 口 旅 館
                       たるたまおんせん やまぐちりょかん
垂玉温泉は、国道57号の阿蘇大橋交差点から国道325号へ入り、3.4
㎞先の信号交差点を左に折れて東北東方向へ上ることおよそ4.6㎞、
通称“阿蘇山”と呼ばれる阿蘇五岳の一つ、標高667mの烏帽子岳
(1337.2m)の南西中腹に湯けむりを上げる谷間の温泉です。

『長陽村誌』に拠れば、天正年間(1573~1592)までこの地に存在し
ていた金龍山垂玉寺の修験僧によって発見されたと伝えられ、江戸
時代中期の延享年間(1744~1747)に起こった大洪水で埋没し、途絶
してしまいましたが、文化年間(1804~1818)に袴野村の武七という
人物によって再興されました。
現在では、阿蘇山の南西、南阿蘇村一帯に点在する栃木・地獄・大
阿蘇火の山・白水の各温泉とともに、「南阿蘇温泉郷」と総称され
ています。
3時間で湯が入れ換わるよう、右奥の湯口から広々とした湯船に
たっぷりと掛け流されているのは、かじかの湯と同様に夏期には
水道水が10%程度加えられているという元湯源泉。
適温となった灰白色半透明の湯からは、滝の湯よりは弱いものの
金気臭がしっかり香り、湯の中では細粒の白い湯の華が少量見ら
れました。


GWで多くの宿泊客が滞在しているにもかかわらず、各浴場とも
ほとんど独り占めか、同浴しても1~2名という具合で、新緑が眩
しい大自然の中、阿蘇の恵みを存分に楽しませていただきました。
                        〔13.02.19〕
左壁に沿って並ぶ5基のシャワー
カランを挟んで手前にサウナ、奥
に打たせ湯、対する右側には檜の
太い角材で縁取った奥行き7mほ
どの変形七角形の石板造り湯船と
その手前に小さな上がり湯槽がそ
れぞれ配され、石板張りの床には
湯船の周りのみ小さな木板のタイ
ルが巡らされていました。
太い檜の小屋組み
が剥き出しとなっ
た浴室はゆったり
した造りで、“展
望大浴場”という
名の通り、右手か
ら奥にかけて嵌め
られた大きなガラ
ス窓越しに渓谷が
一望できます。
かじかの湯で利用されているのは、滝の湯と同じく単純温泉である油湯
源泉。
各湯船には1時間で入れ換わる量の湯が注がれ、泉温が60℃近い高温の
ため、夏期には水道水が10%程度加えられているとのことです。
うっすらと青みを帯びて見える灰白色半透明の湯からは、弱い金気臭が
香り立ち、早朝の凛とした冷気の中、寝起きの身体にはとても心地良い
朝風呂となりました。
この小屋を抜けて石段を10段分ほど下がると、左上の岩山から轟々と落
下する滝を仰ぎ見る位置に岩風呂が設けられています。
竹管に挿入されたパイプからドボドボと湯船に掛け流されているのは、
金龍の滝の滝壺から湧き出しているという滝の湯源泉。
1時間で入れ換わるとい
う緑褐色半透明の少し熱
めの湯からは、しっかり
した金気臭と極薄の塩苦
味が感じられ、湯の中で
は消しゴム滓のような白
い湯の華が多量に見られ
るなど、単純温泉とは思
えない個性があり、その
反面、柔らかな肌当たり
が印象に残りました。
宿の敷地を出て垂玉川に架かる金龍
橋を渡り、すぐ右手に設えられた簡
素な木造りの門を潜って歩を進める
と、奥に宝形造りの小さな脱衣小屋
が見えてきます。

左手前には金龍山山腹の屏風岩から
滔々と湧き出している名水“垂玉の
水”が引かれており、湯上がりに渇
いた喉を潤すことができます。
入浴客で混み合わないうち
にと荷解きもそこそこに向
かったのは、1921(大正10)
年に原型となった露天風呂
が開設されたという滝の湯
です。

混浴ですが、女性は湯浴み
の着用が許されており、夜
8時半から1時間の女性専用
時間も設定されています。
垂玉の渓谷を臨む広大な敷地に建つ建物は、本館のほか、1993年
に改築された木造2階建ての西館、ロビーから左手に進んだ先に
ある木造2階建ての東館(1970年築)、その奥に続く木造2階建ての
別館(1962年築)、東館と渡り廊下で繋がりその背後に控える鉄骨
造り2階建ての南館(1985年築)からなり、客室数は全31室。
創業以来増築を繰り返してきた館内は、まるで迷路のようです。

浴場についても、金龍の滝という落差60mの滝の前に設えられ、
宿泊客のみが入湯できるこの宿名物の混浴風呂“滝の湯”、別館
の前面に建つ別棟内にある大浴場“天の湯”、茅葺き民家風の浴
舎が風情たっぷりな“かじかの湯”、南館1階の家族湯という4つ
があり、趣の異なる湯船で3本の自家源泉を楽しむことができま
す。
駐車場に車を停め、傾斜の緩い大き
な三角屋根を載せた山荘風の本館に
入ると、古い柱や梁材を活かしつつ
リニューアルされた山の宿とは思え
ない天井の高い洒落たロビーがあり、
左側のフロントでチェックインの手
続きを行います。
『山口旅館』は、現館主で7代目となる日本秘湯を守る会会員の垂玉温泉の一軒宿で、宿の横をさらに350m
ほど上っていくと、やはり一軒宿の地獄温泉 清風荘が所在しています。

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一方、翌朝の朝食前に利用した手前
側の浴場は、脱衣所がゆったりして
おり、左手前に鉤形に造り付けられ
た棚には、6個のプラスチック籠が
備えられていました。
ガラス戸を挟んで右側に設けられた
石張りの内湯には、1.85×1.5mほ
どの小振りな石造りの湯船が配され、
さらに脱衣所と内湯の双方から出入
りができる正面の縁側のようなスペ
ースには、醬油の仕込み桶を利用し
た桶風呂が2つ設置されています。
左手の縄暖簾を
潜って外に出る
と、正面に瓢形
をした長さ2.1
mの岩風呂、右
奥に2.8×1.6m
ほどの檜造りの
湯船が配され、
岩風呂では少し
ぬるめ、檜風呂
ではやや熱めの
少し青みを帯び
た灰白色半透明
の湯が湛えられ
ていました。

本州とは異なる遅い日没時間を活
かして夕食の前に訪れたのが、別
館の1階を下りていくと正面にあ
る天の湯です。

浴舎は、越屋根を載せた寄棟造り
の建物が逆L字に繋がった曲り屋
風で、男湯は左側。
脱衣所はまずまずの広さを有し、
右側の15庫に仕切られた4段棚に
は、それぞれ2個ずつ籠が納めら
れていました。
次に足を運んだのは、本館の左横
から石垣の上に建てられた西館の
下を潜って坂を下り、石垣が切れ
たところで右へ折れると、天の湯
の奥に設けられているかじかの湯
です。
今回の旅では、滝の湯をはじめとし
たこれらの浴場で垂玉温泉を満喫す
ることを目的としていたため、眺望
には恵まれないものの、比較的リー
ズナブルに泊まることができる南館
202号室(8畳)を利用させていただき
ました(GW利用1泊2食 13650円+
入湯税)。
江戸時代末期に南外輪山東部の高
森より移住した山口太八郎氏が温
泉主となり、自費を投じて道路や
施設を徐々に整備して1886(明治
19)年に創業されたという湯宿で、
1907(明治40)年8月には、与謝野
鉄幹が木下杢太郎・北原白秋・平
野万里・吉井勇を連れて投宿し、
その様子は紀行文『五足の靴』と
して東京二六新聞に発表されまし
た。
棟仕舞いとして棟の上に置き千木を
載せた趣のある木造入母屋造りの茅
葺き民家風の浴舎で、浴場は手前と
奥の2つに分かれ、朝夕で男女交替
となっています。

まず、利用させていただいたのは奥
の浴場で、狭小な脱衣所は右壁に3
段の棚が設えられただけの簡素な造
りをしています。