住 所   長野県小県郡青木村田沢2686
  電 話   0268-49-2001
 営業時間   立寄り 10:00~20:00
 入浴料   500円
温泉利用状況   完全放流式 (11~5月 加温あり)
   
 源 泉 名   田沢温泉2・3号 混合泉 〔男湯内湯湯口 採水〕
  泉 質   単純硫黄泉
 湧出量   450 / 95.16 ℓ/min
 泉 温   38.5  ℃
 pH   9.6
 成分総計   0.2132 g/㎏
    Na=49.5/K=0.4/Ca=11.0(60.9㎎/㎏)
  F=0.8/Br=0.1/Cl=38.6/SO4=27.9/HCO3=9.2/CO3=21.9/
  OH=0.7/HS=2.9/BO2=0.7(102.8㎎/㎏)
  H2Si03=49.5(49.5㎎/㎏)
  H2S=0.008(0.008㎎/㎏)          〔2005.11.22〕
 入浴履歴   初訪10.11.07
 評 価   ★★★★★★
 田沢温泉
ま す や 旅 館
                           たざわおんせん ますやりょかん
泉源から50mほど引湯して両湯船にドボドボと掛け流され
ているのは、共同浴場の有乳湯と同じ共同源泉である田沢
温泉2・3号混合泉。
また、ガラスの向こうに設えられた竹垣に囲まれた露天には、不整楕
円形を呈した石造りの露天風呂が配され、色づき始めた紅葉を眺めな
がら湯浴みを楽しむことができました。

湯船へは右奥の湯口から源泉が注入されているほか、竹管を利用して
内湯からの溢れ湯が注がれるようになっています。
浴場は、新館の右奥に続く2階建
て建物の廊下を抜けた先に建つコ
ンクリート造りの別棟に設けられ
ています。
新たに造られたものらしく、館内
の趣ある佇まいと比べると、いさ
さか不釣り合いな感じは否めませ
ん。
脱衣所はまずまずの広さを有し、
左手前にボウル3基の洗面カウン
ター、右側には20庫の脱衣箱が備
えられています。
木造りの
館内は、
さすがに
老朽化し
ているも
のの、長
い歴史を
感じさせ
る良い雰
囲気。
本館の玄関を入ると、傍らに映画のポスタ
ーなどが張られた板張りの広間があり、そ
こで立寄り入浴をお願いします。
これらの建物は、屋根に反りを
付けた東館と東蔵が明治時代前
期、建ちが高くて豪壮なことか
ら「高楼」と呼ばれ、藤村が宿
泊した“藤村の間”がある本館
は1907(明治40)年頃、通りに面
して開く窓廻りを黒漆喰塗りで
仕上げた土蔵は明治期、新館は
大正初期、西館は大正末期にそ
れぞれ建築され、2005年7月12
日に国の登録有形文化財に登録
されました。
『ますや旅館』は、湯川に沿って小さな温泉街を貫く石畳の目抜き通り
を上っていくと右手に所在する、1868(明治元)年創業の老舗旅館です。

小諸で教鞭を取り始めて2年目の島崎藤村が宿泊し、『千曲川のスケッ
チ』の中で「升屋」と紹介されている宿で、1998年に松坂慶子主演で公
開された山川元監督の映画『卓球温泉』の舞台にもなっています。
石畳を上っていくと、白壁の腰廻り
をなまこ壁風に飾った土蔵造り2階
建ての「東蔵」、入母屋造り木造瓦
葺き3階建ての「東館」が通りの左
右でお出迎え。

東館の背後には、切石積みの基礎の
上に建つ「土蔵」を挟んで入母屋造
り木造瓦葺き3階建ての「本館」と
「西館」が続き、本館の北東には、
階段室のある渡り廊下で連絡してい
る「新館」が建っています。
飛鳥時代に修験道の開祖とされる役小角(伝634~706)によって発見さ
れたと伝えられ、山姥が湯治に来て、平安時代の武将 源頼光の四天
王の一人で、大江山の鬼退治で有名な坂田金時を出産したという説話
が残されている古湯で、不妊や乳の出など特に女性に効能があるとさ
れてきたことから、“子宝の湯”“はらみの湯”“子持ちの湯”など
と呼ばれてきました。

また、1899(明治32)年8月、小諸義塾に教師として赴任した島崎藤村
が逗留し、千曲川のスケッチ』(1911)の1節「山の温泉」の着想を得
た地としても知られ、1970年3月には、同じ青木村の沓掛温泉ととも
に国民保養温泉地に指定されました。
田沢温泉は、国道143号から県道田沢中挟線(172号)を1.1㎞ほど西へ入った十観山(標高1284.5m)の東麓に湧
く、3軒の湯宿と共同浴場1か所からなる静かな温泉地です。
新 館
有乳湯へ入湯して以来、再訪を願ってきたお気に入りの温泉ですが、それ以上に魅了されたのが、これま
で大切に守り続けられてきた客室の四周に縁を廻らす木造3階建ての4棟の湯宿建築で、いずれ機会を捉え
て宿泊し、今なお留める往時の雰囲気を存分に堪能したいと感じました。         〔12.04.16〕

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貯湯槽を利用している
ためか、有乳湯のよう
な顕著な泡付きは認め
られませんが、半透明
の綿状の湯の華が少量
舞う無色透明のぬる湯
からは、弱い玉子臭味
が感じられ、わずかな
がらも付着する微細な
気泡によって、つるつ
るした肌触りを楽しむ
ことができました。
左奥のガラス扉を開けて浴室に入った途端、鼻腔をくすぐる
のは茹で玉子のような仄かな硫黄臭。
タイル張りの内湯は、前
面が大きなガラス張りと
なった明るい造りで、左
手前に5基のシャワーカ
ランが鉤形に並び、右奥
に幅2.65m、奥行き2.4
mほどの水色タイル張り
の湯船が置かれています。
両側に手すりが備わった黒光り
する階段やギシギシ軋む廊下を
通って、浴場へ向かいます。
本 館
東 館