住 所   新潟県魚沼市上折立66
  電 話   025-795-2211
 営業時間   立寄り 10:30~17:00 (要予約)
 入浴料   1720円 (大部屋休憩付き,消費税・入湯税込)
温泉利用状況   完全放流式
   
 源 泉 名   栃尾又1号 / 栃尾又 自在館1号
  泉 質   単純弱放射能泉
 湧出量   104 / 77  ℓ/min
 泉 温   36.8 / 28.5  ℃
 pH   8.6 / 7.9
ラ ド ン   37.0 / 131 ×10-10 Ci/kg
 成分総計   0.2724 / 0.2271 g/㎏
    Sr=0.2/Na=30.8/K=0.8/Ca=40.8/NH4=0.4(73.0㎎/㎏)
  F=0.6/Br=0.1/Cl=12.4/SO4=117.3/HCO3=19.8/CO3=3.0
  (153.2㎎/㎏)
  H2SiO3=46.1/HBO2=0.1(46.2㎎/㎏)    〔2013.08.09〕

  Sr=0.2/Na=24.6/K=0.6/Ca=33.4/Mg=0.4/NH4=0.6
  (59.8㎎/㎏)
  F=0.5/I=0.2/Cl=10.6/SO4=89.9/HCO3=25.9
  (127.1㎎/㎏)
  H2SiO3=39.7(39.7㎎/㎏)
  CO2=0.5(0.5㎎/㎏)
            〔2013.08.09〕
 入浴履歴   初訪11.05.21 泊
 評 価   ★★★★★
 栃尾又温泉
自 在 館
                           とちおまたおんせん じざいかん
栃尾又薬師堂や境内の神木など宿の
裏手を少し散策し、夕食前に利用さ
せていただいたのが、対岸の山の名
前を冠した貸切露天のうけづの湯で
す(利用時間 5:00~24:20)。

浴場は地下1階のエレベーター前か
ら右へ向かい、突き当たりを右に折
れて進んだ奥左手にあり、落ち着い
た雰囲気の脱衣所には、右手前に設
えられた棚に竹箕のような籠が3つ
並んでいました。
まず向かったのは、午後3時までは
男性専用となっている霊泉うえの湯。

1988年から翌年にかけて竹下登首相
が全国各市町村に一律1億円を支給
したふるさと創生事業で開設された
栃尾又温泉センターを前身とする浴
場で、宿から離れて奥に位置してい
るため、本館1階の薬師口、あるい
は2階から渡り廊下で旧館に渡り、
東玄関からゴムスリッパか下駄履き
で向かうようになっています。
栃尾又温泉は、国道17号の井口新田交差点から奥只見湖へ向かって国
道352号で10.7㎞ほど上り、大湯温泉の手前で左斜めに分かれる県道
栃尾又上折立線(299号)を経て南南東方向へ進むこと約2㎞、佐梨川に
注ぐ湯の沢川(栃尾又沢)の畔に3軒の湯宿が寄り添うように佇む、現
在でも湯治場と呼ぶのがぴったりの谷間の静かな温泉地です。

奈良時代初期の養老年間(717~724)に山岳修行していた行基によって
発見されたと伝えられる古湯で、江戸時代以降、湯治場として栄え、
“子宝の湯”として女性客にも親しまれてきました。
奥只見から小出へ向かう352号に沿うように西流する佐梨川とその支
流の沢沿いに点在する薬師・葎沢・芋川・折立・大湯・駒の湯の各温
泉とともに“湯之谷温泉郷”と総称され、1979年3月には駒の湯温泉
とともに国民保養温泉地に指定されています。
それでもやはり絶品なのは、うえの
湯としたの湯で存分に堪能できる不
感温度のぬる湯。

これまでは、どんなに気持ち良くて
も入浴中に眠りに陥ることは滅多に
ありませんでしたが、ここでは不思
議と湯船に浸かるたびにうつらうつ
ら。
もしかしたら、これがラジウムの効
果かもしれません。
残り2か所の貸切風呂 たぬきの湯・
うさぎの湯は、地下1階の廊下中程
の階段を下りた地下2階にあり、左
がたぬき、右がうさぎの湯となって
います(利用時間 8:20~22:20)。

夕食後、8時半から利用させていた
だいたのが、夜10時半から翌朝8時
までは男湯として開放されているた
ぬきの湯です。
周りを礫で縁取った湯船は、奥行き4.6mほどの主浴槽とその左に
付設された小さな上がり湯槽からなり、主浴槽の右寄り中央に礫を
固めて設えた湯口からは、直下で湧出している鮮度抜群のラジウム
泉が静かに掛け流されています。

湯口の前に陣取ると、うえの湯よりも早く泡付きが認められました
が、泡の大きさはより微細で、不思議なことに湯の香はほとんど感
じられませんでした。
石張りの浴室
には、正面と
右側に大きな
ガラス窓が巡
らされ、柔ら
かな陽射しに
よって水色タ
イル張りの湯
船が妖しく光
り、幻想的な
雰囲気が感じ
られました。
主浴槽を満た
した無色透明
の湯からは、
微弱な焦げた
ような石膏臭
と少甘味が感
じられ、湯口
の傍でじっと
浸かっている
と、身体には
微細な泡がび
っしりと付着
しました。
左側から正面全体がガラス窓となった採光良好なタイル張り
の浴室には、右手前に3基のシャワーカランが並び、正面に
は周りを群青色の角タイル、底を水色の亀甲豆タイルで仕上
げた源泉掛け流しの主浴槽、その右側に主浴槽からの溢れ湯
が流れ込むようになっている寝湯、その手前に寝湯からの引
湯と熱交換方式によって循環加温し、塩素系薬剤が使用され
ている上がり湯槽が配されています。

各湯船に供されているのは、したの湯の真下で湧出し、国内
屈指のラジウム泉と評される共同源泉の栃尾又1号。
泉温が体温に近いため、うえの湯としたの湯では、このぬる
湯に1~3時間と長く浸かり、上がる時に加温した上がり湯に
入る“長湯”という入浴法が推奨されています。
入浴客は皆、ほとんど言葉も交わさずに黙って目を瞑り、湯
船に浸かったまま微動だにしません。

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新潟県の温泉へ



予約の際の「お早めにお越しくださ
い」という案内にしたがい、受付開
始の午後1時より少し早い12時半に
到着しましたが、駐車場にはすでに
数台の車が停まっています。

本館の玄関から館内に入ると、お馴
染みの秘湯を守る会の提灯が下げら
れたロビーには、季節的に火は入っ
ていないものの囲炉裏が設えられて
おり、その横でお茶をいただきなが
ら、宿泊手続きを行います。
各浴場はもちろん、館内には至る所に独特な字体で手書きされた案内が掲
示され、館主の温泉やこの宿に対する想いを強く感じさせてくれます。

のどかな雰囲気に、湯の沢川の瀬音のみが響く閑静な環境も加わって、と
ても心身が休まる佳宿。
これからもたびたび訪れて、命の洗濯をしたいと思います。〔13.01.26〕
両湯船には、壁の源泉カランからうけづの湯と同じ無色透明の自家源泉が適温に加温されて掛け流されてお
り、ほぼ無臭でわずかに苦味が感じられる程度と決して特徴的ではありませんが、肌当たりの柔らかな心地
良い湯浴みを楽しむことができました。
一方、深夜は女湯となっているうさぎの湯には、翌朝9時から入湯。
こちらの脱衣所も簡素ながら清潔感のある空間で、傍らには12庫の脱衣
箱が備えられています。
前面がガラス張りというのは同じながら、シックな感じのたぬきの湯に
対し、こちらは若草色のタイルで壁を飾った明るくポップな感じの浴室
で、右側にシャワーカラン3基、左奥に周りを角材で縁取った幅2.6m、
奥行き2.3mほどの亀甲豆タイル張りの湯船が配されていました。
脱衣所は貸切には十分過ぎる広さを有し、左奥に15庫の脱衣箱が備えら
れ、その前には一枚板で作られた腰掛けが設置されていました。

浴室は前面を大きなガラス張りとし、切石の壁に床にも淡緑色の石板を
張った落ち着いた造りで、左には3基のシャワーカランが並び、右奥に
は大小の礫で縁取った幅2.65mの変形五角形を呈した亀甲豆タイル張り
の湯船が配されています。
加温のうえ、循環濾過・
塩素系薬剤使用という湯
使いが採られている影響
からか、湯船を満たした
適温の無色透明の湯から
は、表現し難い臭いが感
じられました。

ただし、現在では加温の
みの放流式に変更されて
いるとのことであり、再
訪の機会があれば改めて
じっくり浸かってみたい
と思います。
屋根掛けされた平石張りの半露天には、2.4×1.4mほどの石造りの湯船
が配され、右奥に置かれた竹筒の湯口からは、沢の対岸で自然湧出して
いるという自家源泉がドボドボと注がれています。
エレベーターで本館地下1階に下
り、左端の出入口から柔らかくて
温かい桐の廊下と62段の階段を素
足で下りていくと、浴舎に到着。

手前側には飲泉もできる休憩処が
あり、その先に続く脱衣所には、
編み籠とプラスチック籠を3個ず
つ納めた15庫の脱衣箱が左奥に備
えられています。
1時間半ほどどっぷりと浸かって
部屋に戻り、休息もそこそこに次
に向かったのが、今回の宿泊の最
大の目的である霊泉したの湯です。

水害によって押し流された浴場を
2004年5月に復活させたもので、
湯の沢川の渓流のすぐ脇に切妻屋
根に湯気抜きを載せた木造平屋建
ての浴舎が設けられています。
一見すると一般民家のような2階
建て建物に入ると、がらんとした
板張りのフロアの右手前に浴場へ
の入口があり、浴室入口のガラス
扉の右手前に16庫の脱衣箱と洗面
ボウル1基、2段上がった左手にも
同数の脱衣箱・洗面が備えられて
いました。
今回利用させていただいたのは、地下1階の一番奥に位置する106号梅
の間という6畳間で、1泊2食付きの宿泊料は10000円に施設利用料600
円と消費税・入湯税を加えて11250円でした。

浴場は、霊泉したの湯とやはり3館で管理し、したの湯とともに時間
による男女交替制(5:00~15:00・15:30~23:00)を採っている“霊泉
うえの湯”という外湯のほか、館内には、先着順に予約して40分無料
で利用できる“うけづの湯”と“たぬきの湯”“うさぎの湯”という
3か所の貸切風呂が設けられています。
旧 館
当初は“守右衛門”という屋号を名乗っていたとのことですが、江
戸末期に湯治に訪れた尼僧から勧められ、般若心経の出だしにある
「観自在菩薩」から2字を採り、現在の宿名を称するようになった
そうです。

建物は、道路を挟んで右左に分かれて建つ1972年に改築された鉄筋
コンクリート造り3階・一部木造2階建ての本館と1924(大正13)年築
という木造3階建ての旧館からなり、客室は本館23、旧館5の全28室
を数えます。
栃尾又温泉と言えば、湯の沢川の泉源の真上に造られ、宝巌堂と神
風館を加えた3軒の旅館で共同管理している“霊泉したの湯”とい
う共同浴場が有名ですが、立寄り入浴は受け付けていないため、宿
泊して入湯することにしました。

『自在館』は、慶長年間(1596~1615)以来、創業400年の歴史を有する日本秘湯を守る会会員の老舗旅館で、
当温泉では最も規模が大きく、中心的な存在となっています。