住 所   熊本県阿蘇郡小国町下城杖立
  電 話   
 営業時間   24時間
 入浴料   無料
温泉利用状況   完全放流式 (加水あり)
   
 源 泉 名   
  泉 質   ナトリウム-塩化物泉
 湧出量       ℓ/min
 泉 温        ℃
 pH   
 成分総計       g/㎏
 





 入浴履歴   初訪13.04.27
 評 価   ★★★★
 杖立温泉
元  湯
                                つえたておんせん もとゆ
正面には剥き
出しとなった
岩肌の窪みを
利用したよう
な伝説を想わ
せる洞窟様の
湯船があり、
奥には「杖立
元湯」と金文
字で記された
小石碑が立っ
ています。
向かって左寄りに設けられた入口か
ら中へ入ると、右の板壁の前に6庫
の脱衣箱を備えた簀子敷きの簡易な
脱衣所があり、対する左側には“産
湯観音”という小さな石造りの観音
様が祀られていました。
『元湯』は、温泉街の中では最も上流側に架かるもみじ橋の袂の右奥、共同湯の薬師湯から白水荘の上手を
抜ける背戸屋を下り切ると右側に所在する、応神天皇の産湯として奉られた霊泉が汲み上げられた岩窟と伝
えられている混浴の共同浴場です。
明治時代以降、野口雨情や高野素十といった文人が当地を訪れ、1947
年には、火野葦平が葉隠館に逗留して執筆した当温泉を舞台にした小
説『花扇』が発表されました。

昭和初期から高度成長期までは歓楽街温泉として大いに栄え、「九州
の奥座敷」と呼ばれていた当温泉も、バブル期以降は衰退傾向にあり
ましたが、近年では、“背戸屋(せどや)”と呼称される昭和期の雰囲
気を色濃く留めた迷路のような狭い路地裏の散策や源泉の蒸気を利用
した杖立プリン伝説プロジェクトなど、新たなまちづくりが進められ
ています。
また、4月初旬から5月中旬、杖立川の上を3500匹もの鯉のぼりが泳ぐ
鯉のぼり祭りは、全国に先駆けて1963年から始められたもので、小国
の春の風物詩として大勢の観光客で賑わっています。
杖立温泉は、小国町の中心部から国道212号(日田街道)を経由して北北東方向へおよそ7.8㎞、筑後川の上流
杖立川の渓流沿いに20軒足らずの宿泊施設と数か所の日帰り入浴施設・共同浴場が建ち並ぶ、大分県境に接
した谷間の温泉地です。

今から約1800年前、新羅出兵から帰国した神功皇后が筑紫で産気づいた際、白髪の老人のお告げによって発
見され、後の応神天皇の産湯として使用されたという開湯伝説を残す古湯で、「杖立」という地名は、平安
時代初期にこの地に立ち寄った空海(弘法大師)が、杖をついて湯治に訪れた病人が、浴後に杖を立てたまま
忘れて帰途についた様子を見て詠んだ、“湯に入りて 病なおれば すがりてし 杖立ておいて 帰る諸人”と
いう歌に由来しているとのことです。
江戸時代には熊本藩の御前湯が置かれ、湯治場として賑わったほか、文化・文政期(1804~1830)には、湯亭
という温泉業者が現われました。

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湯船の右手前には石鉢が置かれており、2本の配管によって送湯された
源泉と水カランの水を一旦ここに落とし、側面に挿入されたパイプを介
して湯船に注いでいます。

他のサイトでは、湯温が激熱であったり、冷たすぎて入湯を果たせなか
ったという記事が散見され、実際に入口にも「元湯の湯量は一定ではな
く又、当日の天候等により温度管理が非常に難しい為、ご入浴の際はお
客様の判断にてご利用下さい。」との注意書きが張られていましたが、
訪問時、幸いなことに無色透明の湯は少し熱めといった湯加減で、焦げ
臭と油臭が混じったような独特の湯の香としっとり滑らかな肌触りを満
喫することができました。
浴場内は仄暗く、入浴中、通り掛かった女性の観光客に突然覗き見されて少々びっくり。
湯船に浸かったままでは川面は望めませんが、春の風を受けて気持ち良さそうに泳ぐ鯉のぼりを眺めなが
ら、杖立発祥の岩窟湯を楽しませていただきました。                  〔14.02.20〕
「旅籠 米屋」と書かれた現在で
は使われていない風情のある4階
建て建物を背後にして川縁に設え
られている浴場は、スレート葺き
の屋根の掛かった半露天風呂で、
河川敷に面した前面には孟宗竹を
編んだ目隠しが施されています。